はじめに|頑張ってるのにうまくいかない——そんなあなたへ。
僕:
最近、ちょっと思うんだ。
「こんなに頑張ってるのに、なんで結果が出ないんだろう?」って。
努力してるつもりなのに、うまくいかない日が続くと、正直、心が折れそうになる。
しおり:
それ、すごくよくわかるよ。
でもね、もしかしたら「順番」が逆なのかもしれない。
僕:
順番? 「成功してから幸せになる」んじゃないの?
しおり:
ううん。今日紹介するのは、ショーン・エイカーさんの本
『幸福優位7つの法則』(徳間書店)。
この本ではね、**「幸せだから成功する」**という、ちょっと意外な順番が提案されてるの。
しかも、ハーバード大学で27万人を対象に研究された、れっきとした心理学の成果なの。
僕:
そんな逆転の発想、ちょっと気になる…!
しおり:
うん。この記事では、
- なぜ“幸せ”が先なのか
- どうすれば今より幸福感を高められるのか
- 僕たちの毎日に取り入れられる7つの習慣
を一緒にひもといていこうと思うの。
僕:
ありがとう、しおり。ちょっと今の自分に必要な気がしてきた。
最後まで読めば、少し気持ちが軽くなれそうな予感がするよ。
1. 幸せだから成功する
僕:
「成功すれば、きっと幸せになれる」って、ずっと思ってた。
もっと稼げたら、評価されたら、人生が変わるはずって。
でも…頑張ってるのに、なんか空回りしてる気がする。
しおり:
それね、実は**“順番”が逆**なんだよ。
ショーン・エイカーさんは言ってるの。
**「成功が幸せを連れてくる」のではなくて、「幸せが成功を連れてくる」**って。
僕:
えっ、逆なの?
でも、幸せなんて、成功した“あと”にしか手に入らないと思ってた…
しおり:
それが多くの人の誤解なの。
幸せを感じているときこそ、脳の働きが活発になって、集中力や創造力も高まるっていう研究結果が出てるの。
ネガティブな状態じゃ、本来の力は発揮できないのよ。
僕:
たしかに、しんどいときって、視野も狭くなるし、アイデアも浮かばない…。
つまり、幸せな状態をつくることが、パフォーマンスを高める土台なんだね。
しおり:
うん。しかもこれは、気持ちの問題じゃなくて、脳の仕組みとして証明されてる事実なの。
まずは“幸せ”を意識して整えること。
それが結果的に、人生もうまく回るスタート地点になるんだよ。
2. 今日あった“いいこと”を3つ書く
僕:
「幸せが先」っていうのはわかったけど、じゃあどうやって“幸せ”って感じればいいの?
正直、毎日バタバタしてて、幸せを実感する余裕なんてないよ…。
しおり:
うん、それも自然なことだと思うよ。
だからこそおすすめしたいのが、**「今日あった良いことを3つ書き出す」**っていう習慣。
僕:
え、たったそれだけ?
しおり:
うん、シンプルだけど効果は絶大。
これは“感謝日記”の一種で、脳の焦点をポジティブなものに切り替えるトレーニングなの。
たとえば――
- 朝いつもよりスッキリ起きられた
- 同僚に「ありがとう」って言われた
- 帰り道に空がきれいだった
こんなふうに、小さなことを思い出して書くだけでOKなんだよ。
僕:
なんか…思い返してみると、1日ぜんぶが悪かったわけじゃない気もしてきた。
しおり:
そうなの。
人間って、どうしても失敗とか足りないことにばかり目がいきやすいけど、
この習慣を続けると、“幸せを見つける力”が鍛えられていくの。
僕:
たしかに、いいことって「あるかないか」じゃなくて、「見つけられるかどうか」なんだね。
しおり:
うん。
毎日ちょっとだけ、自分の中の“よかった探し”をしてみて。
それだけで、心の土台がしっかり整っていくから。
3. 楽しみを待つ
僕:
「幸せを見つける習慣」って、なんか前より気持ちが整ってきた感じする。
でもさ…それでもときどき、先が見えなくて不安になるときがあるんだよね。
しおり:
うん、その感覚もすごく大事。
だから次は、**「楽しみを持つこと」**がキーワードになるよ。
僕:
楽しみ?
今は仕事でいっぱいいっぱいで、何かを楽しみにする余裕なんて…
しおり:
でもね、実は**「楽しみにしている時間」そのものが、幸福感を高めてくれる**んだよ。
たとえば、来週の旅行を想像してワクワクしてる時間とか、
お気に入りの映画の公開を待ってるときとか――その“待ってる時間”って、すごく幸せなんだ。
僕:
ああ、たしかに。
子どものころ、遠足の前日が一番ワクワクしてたかも…。
しおり:
そうそう。
ショーン・エイカーさんの研究でも、将来の楽しみを持っている人は、幸福度が高いって出てるの。
予定があるだけで、気持ちが前向きになるんだよ。
僕:
じゃあ、“楽しみ”って別に大きなイベントじゃなくてもいいんだね?
しおり:
もちろん。
「週末に好きなパン屋さんに行く」でも、「来月ライブに行く」でも、なんでもいい。
カレンダーに楽しみを書き込むだけでも、気持ちがぐっと明るくなるからね。
僕:
そっか。
“楽しみを待つ力”って、今を幸せにする工夫だったんだ。
しおり:
うん。
未来に小さな光を灯しておけば、今日の足元もちゃんと照らせるようになるんだよ。
4. 得意なことを活かす
僕:
“楽しみを待つ”って、ちょっと気持ちが軽くなる感じがするね。
でもさ、仕事となるとまた別で…。
苦手なことばかり押しつけられて、どんどん自信がなくなっていくんだ。
しおり:
わかるよ。
でもね、自分の得意なことを活かせていないときって、人は幸せを感じにくいんだって。
僕:
得意なことか…。
正直、自分にはあんまり“これが得意!”って言えるものがない気がする。
しおり:
ううん、それは**“気づいていない”だけ**のことが多いの。
「話を聞くのがうまい」とか「人に丁寧に説明できる」とか、
小さなことでも、それがあなたの“強み”なんだよ。
僕:
そう言われると、後輩に相談されることは多いかも。
しおり:
それ、立派な得意なことだよ。
ショーン・エイカーさんも言ってるの。
**「自分の得意を活かす時間があると、人は自然と幸福感を感じる」**って。
僕:
でも、苦手な仕事も避けられないし…
しおり:
もちろんね。
でも大事なのは、1日の中に“少しでも自分の得意を発揮できる瞬間”を持つことなの。
それが気持ちの余裕や自信につながっていくんだよ。
僕:
たしかに、得意なことをやってるときって、疲れ方がちがう気がする。
しおり:
うん。
“向いてること”を活かすって、自分を大切にすることでもあるんだよ。
5. 運動と“20秒ルール”で習慣化する
僕:
最近ちょっと疲れやすいし、気分も上がらなくて…。
やっぱり体動かさないとダメかな。
しおり:
うん、まさにそこが大事。
実はね、運動は幸福感を高める“最強の習慣”のひとつなんだよ。
僕:
でも、正直続かないんだよね…。
三日坊主っていうか、やる気が出ないというか。
しおり:
わかるよ。
だからこそ、エイカーさんが紹介してる**「20秒ルール」**を試してみてほしいの。
僕:
20秒ルール? それって何?
しおり:
簡単に言うと、「良い習慣は20秒早く始められるように」「悪い習慣は20秒遠ざけるように」環境を整えること。
たとえば運動を習慣化したいなら、
・玄関にランニングシューズを出しておく
・前日の夜にウェアを準備しておく
それだけで、「ちょっとやってみようかな」って気持ちが起きやすくなるんだよ。
僕:
たしかに…運動するまでの準備がめんどくさくて、そこであきらめてたかも。
しおり:
そうなの。
逆に、やめたい習慣があるときは20秒“手間”を増やせばいい。
たとえば、
・スマホでSNSをつい見ちゃうならログアウトしておく
・テレビを見たくないならリモコンの電池を抜いておく
それだけで、行動のハードルがぐんと上がるよ。
僕:
なるほど、やる気の問題じゃなくて、“始めやすさ”と“環境”の問題だったんだね。
しおり:
うん。意志に頼らず、仕組みに頼るのがポイント。
人間の意志はけっこう弱いからね。うまく仕掛けを作って、自分を味方にしていこう。
6. 自信を失ったときは“目の前のこと”に集中する
僕:
最近ちょっとしたことで落ち込んじゃって…
ミスも重なって、自信がどんどん削れていく感じがするんだ。
しおり:
そういう時って、誰にでもあるよ。
でもね、気持ちが落ちてる時ほど「大きなこと」をやろうとしちゃダメなんだよ。
僕:
でも何か挽回しなきゃって焦っちゃうんだよね。
このままじゃダメだって。
しおり:
うん、その気持ちはわかる。
でも、ショーン・エイカーさんは言ってるよ。
**「自信を回復したいなら、まずは“目の前のコントロールできること”に集中すること」**が大事だって。
僕:
コントロールできること…たとえば?
しおり:
たとえば、机の上を片付けるとか、溜まった食器を洗うとか、読みかけのメールを1通返すとか。
ほんの小さなことでも、「できた」って感覚が、自信の芽を育ててくれるんだよ。
僕:
たしかに、部屋が散らかってるときって、気分までぐちゃぐちゃになるもんなぁ。
しおり:
そうなの。
人は、「自分で動いて状況を変えられた」と感じると、少しずつ立ち直れるもの。
逆に、何もできないって思い込むと、心も閉じてしまうんだ。
僕:
じゃあ、今の僕に必要なのは、大きな成功じゃなくて――
「コントロールできることから始める」ことなんだね。
しおり:
うん、まさにそれ。
自信は、ちいさな“行動の積み重ね”で、ゆっくり戻ってくるものだから。
7. ピンチのときほど、人と接する
僕:
正直、しんどいときって誰にも会いたくないんだよね…。
うまくいってない自分を見せたくないっていうか、余計な気を遣いたくないっていうか。
しおり:
うん、その気持ち、すごくわかるよ。
でもね、ショーン・エイカーさんは言ってるの。
**「ピンチのときこそ、人とのつながりがいちばん効果を発揮する」**って。
僕:
でも…弱ってるときに誰かと会うのって、ちょっと勇気がいるというか…。
しおり:
たしかにね。
でも人と話すことで、脳がストレスを緩和するホルモンを出すっていう研究もあるんだよ。
誰かと気軽に話すだけで、回復のスピードが全然ちがうの。
僕:
たしかに…この前も、久しぶりに友達と話したら、それだけで気持ちがラクになったかも。
しおり:
うん。
しかも、人と話すと自分の視点が広がって、考え方が整理されたりすることもあるよね。
孤独はネガティブを増幅させるから、意識して“つながる習慣”を持つのが大切なんだ。
僕:
じゃあ、「元気になってから人に会おう」じゃなくて、
「元気になるために人に会う」って発想がいいのかも。
しおり:
その通り!
無理に深い話をしなくても、誰かと笑える時間があるだけで、心の回復力はぐんと高まるよ。
8. モノより“経験”を買う
僕:
ちょっと前に、頑張ったご褒美に高いバッグを買ったんだけど…
嬉しかったのは最初だけで、正直すぐ飽きちゃったんだよね。
しおり:
それ、あるあるだね。
エイカーさんも言ってるよ。**「物質的な買い物の幸福感は一瞬で薄れる」**って。
僕:
たしかに、最初はテンション上がるけど、慣れちゃうと日常に溶け込んじゃうんだよね。
しおり:
そうなの。
一方で、「経験」にお金を使うと、幸福感は長く続くって研究結果が出てるの。
たとえば、旅行に行ったり、ライブに行ったり、友達と一緒にごはんを食べたり。
僕:
あぁ、友達と行った花火大会とか、今でも覚えてるなあ。
思い出話にもなるし、時間が経ってもふと笑えるし。
しおり:
そうそう。
それが“経験の力”なんだよ。
しかも、誰かと共有した経験は、さらに幸福感を高めてくれるって言われてるの。
僕:
じゃあ、次にちょっとご褒美をあげたくなったら、何か「体験」を選ぶようにしてみようかな。
しおり:
いいね。
大切なのは、**「何を持っているか」より「どんな時間を過ごしてきたか」**だから。
記憶に残ることに投資する方が、きっと心も満たされるはずだよ。
まとめ|“幸せが先”を叶える7つの習慣
「幸せになったら、うまくいく」──それは感覚じゃなく、科学でした。
ここまで紹介してきた7つの習慣を、問題→原因→対策のかたちでまとめてみましょう。
💬悩み(問題) | 🌀原因 | 🌱対策(習慣) |
---|---|---|
頑張ってるのに成果が出ない | 成功→幸せの順で考えている | 幸せが先、成功はあとという考えに切り替える |
ネガティブ思考に引っ張られる | 嫌なことに意識が向きやすい脳のクセ | 良かったことを3つ書く習慣で感覚をリセット |
将来に希望が持てない | 今が苦しく、先の楽しみがない | 楽しみな予定をカレンダーに入れる |
自分の強みがわからない | 得意を使えていない/気づいていない | 小さな強みを毎日ひとつでも活かす |
続けたいことが三日坊主になる | 意志に頼りすぎている | 20秒ルールで環境を整える |
自信を失って動けない | 成果ばかりを見て自己否定している | 目の前の片づけなど“小さな行動”から始める |
孤独でしんどい | 人との接触を避けてしまう | 気軽に会話するだけでも幸福感は回復する |
モノで満たしても虚しい | 幸福感が長続きしない | 経験にお金を使い、記憶と喜びを育てる |
最後に|「幸せになってから、うまくいく」という選択
僕:
こうして振り返ってみると、
うまくいかない時期の僕って、ずっと「成功しなきゃ、幸せになれない」って思い込んでたんだな。
しおり:
うん。でもそれって、すごく自然なこと。
多くの人がそう教えられてきたし、そう信じて頑張ってきたからこそ、疲れてしまったんだよね。
僕:
でも今日わかったよ。
“幸せになること”って、もっと身近で、小さなことからでも始められるんだって。
しおり:
うん。大切なのは、
「幸せを後まわしにしない」こと。
今この瞬間から、“自分を満たす行動”を少しずつ取り入れていけばいいんだよ。
僕:
ありがとう、しおり。
今日の話、ほんとに救われた気がする。
…また来るね。
しおり:
うん、いつでもどうぞ。
あなたが「幸せな順番」で、人生を歩んでいけますように🍀
📘紹介した本はこちら
『幸福優位7つの法則』
ショーン・エイカー 著|徳間書店
「成功すれば幸せになれる」はもう古い。
科学が証明した“幸せが先”の法則で、仕事も人生も変えていこう。
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