「やめる」は、逃げではなく自己防衛
僕:
しおり、最近さ、仕事のこと考えるだけで動悸がするんだ。
でも「ここで辞めたら逃げかな」って思っちゃって…。
しおり:
その気持ち、すごくわかるよ。でもね、ジュリア・ケラーさんの『クイッティング やめる力 最良の人生戦略』では、「やめる」は逃げじゃなくて“自己防衛”だって言ってるの。
僕:
自己防衛…?どういうこと?
しおり:
動物ってね、生きるために執着しないの。
例えば、クマは食べ物が手に入らない場所にいつまでもいない。見切りをつけて次の場所に行くの。生き延びるために、やめるんだよ。
僕:
人間も動物か…そう考えると、「頑張り続ける」のが正義って、ちょっと変な話かもしれないね。
しおり:
うん。「限界まで頑張る」のが美徳って思いすぎると、心も体も壊れちゃう。
やめることは、自分を守るための“勇気ある行動”なんだよ。
体のSOSを見逃すな
僕:
あのさ、実はこの前「事故ったら会社行かなくて済むのにな」って考えてたことがあって…ヤバいよね。
しおり:
それ、体と心が「もう限界だよ」って必死に出してるサインだよ。
この本でも、**不眠、過食、涙が出ない、笑えない、胃痛…**そういうの全部、心のブレーキだって書かれてた。
僕:
あ…思い当たることだらけ。僕も、最近やたらとジャンクフードばっか食べてるし…。
しおり:
それね、やめどきのサインかも。
無視して続けてると、ある日パタッと心が折れちゃう。
僕:
しおり…ちゃんと見てみるよ、自分の状態。
なぜ、僕たちはやめられないのか?
しおり:
でも、多くの人が「やめられない」のは自然なことなんだよ。理由は大きく分けて3つ。
僕:
3つ?
しおり:
ひとつ目は、「やめたらダサい」っていう思い込み。
ふたつ目は、「やめたら人間関係が壊れる」っていう恐れ。
そして三つ目は、「これまでの努力(サンクコスト)を無駄にしたくない」って気持ち。
僕:
ああ…どれも心当たりあるわ。
特に3年は働かなきゃ、みたいな刷り込み。
しおり:
うん。でも、続けることが美徳っていうのは社会が作った価値観でしかないの。
あなたの命より大事なルールなんて、どこにもないよ。
大切なのは“他人”より“自分の声”
僕:
やっぱりさ、周りの目が気になって…
「辞めた」って言ったらどう思われるかって考えちゃう。
しおり:
でもね、この人生を生きるのはあなた自身。
周囲がどう思うかじゃなくて、自分の心の声をちゃんと聞いてあげて。
僕:
心の声…最近、それ聞く余裕なかったかも。
しおり:
「他人の期待に応える人生」より、「自分の納得のいく人生」の方がずっと尊いよ。
向いてないことには、もう執着しない
僕:
うまくいかない日が続くと、「僕ってダメなのかな」って思ってしまう。
しおり:
ううん、それは「向いてないだけ」かもしれないよ。
一時的な不調なのか、根本的に向いていないのか、冷静に見極めるのが大事。
僕:
たしかに…僕、今の仕事始めた時からずっと違和感あったかも。
しおり:
それならなおさら、自分に向いていないことに無理してしがみつかないで。
やめることは、自分の可能性を広げる選択なんだから。
人生の選択肢は、いつだって自分の手の中にある
僕:
正直、今まで「辞めたら終わり」って思ってた。でも違うのかな…。
しおり:
うん、「やめる」は終わりじゃなくて、“次の始まり”だよ。
続けるにしても、やめるにしても、選択権はいつも自分の手の中にある。
僕:
その言葉、すごく救われる…。なんかね、ちょっとだけ光が見えた気がするよ。
しおり:
よかった。焦らなくていい。ちゃんと自分を守る選択をしてあげてね。
🧾まとめ表|「やめられない」悩みの処方箋
問題 | 原因 | 対策 |
---|---|---|
辞めたいけど踏み出せない | 社会的な価値観・他人の目・サンクコスト | やめることは“自己防衛”。まずは体と心の声を聴く |
限界まで続けてしまう | 体のSOSを無視している | 心身の不調を「やめるべきサイン」として認識する |
自分の選択に自信が持てない | 他人の声に左右されてしまう | 周囲でなく「自分の納得感」を基準に判断する |
「向いてない」ことにしがみつく | 継続が正しいという思い込み、努力の無駄を恐れる | 執着せず、自分が活きる場にシフトする |
📘最後に|「やめる」は、あなたを守る勇気だから。
しおり:
「やめる」は、負けじゃない。
あなた自身の人生を“取り戻す”ための、最善の選択肢になることもあるんだよ。
僕:
ありがとう、しおり。ちょっと勇気出たかも。
また、話聞いてもらいに来るね。
しおり:
いつでもおいで☺️
図書館は、悩める人の“避難所”だから。
📚紹介書籍
書籍名:『クイッティング やめる力 最良の人生戦略』
**著者:**ジュリア・ケラー
**出版社:**ダイヤモンド社
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