〜しおりと僕の図書館相談〜
はじめに|“AIに仕事を奪われる”なんて、まだ遠い話だと思ってた…
僕:
ねえ、しおり…最近、「AIでホワイトカラーの仕事がなくなる」ってニュース、よく見るんだけど、正直ピンと来てなくて…。
しおり:
そうね。でも冨山和彦さんの『ホワイトカラー消滅』を読むと、「それ、もう現実の話だよ」って気づかされるの。
僕:
えっ、もう「現実」…?
しおり:
うん。この本では、2040年には日本で1100万人の労働力が不足する一方で、AIによってホワイトカラー職の約8割が消滅するって予測されてるの。
僕:
……つまり、足りないのに余るってこと?どういうこと!?
しおり:
今日はそのカラクリと、僕たちがどう行動すべきかを一緒に整理していこうね。
1|人手不足と人余りが同時に起こる未来
僕:
1100万人も人が足りないのに、ホワイトカラーが余るってどういうこと?
しおり:
たとえばね、AIに代替されやすい事務職・会計・中間管理職は激減する一方で、介護・農業・運送などの“現場仕事”は人手不足が深刻化するってことなの。
僕:
AIに奪われる側と、AIでは代われない側がはっきり分かれるのか…。
しおり:
そう。だから**「AIに代替される仕事」から「AIで支えられる仕事」へシフトする視点**が必要なの。
2|“稼げる仕事”が逆転する時代
僕:
でも正直、現場仕事ってきつそうだし、お給料も安いイメージ…。
しおり:
そこが逆転していくの。エッセンシャルワーカーの賃金は今後上昇する可能性が高いのよ。
僕:
本当に?
しおり:
AIによって生産性が2〜4倍になるから、少人数で効率的に回せるようになるの。実際に北海道では漁業で年収2000万〜3000万の若者も出てきてるんだって。
僕:
それ、すごっ…!
3|残るホワイトカラーは“クリエイター”と“経営者”だけ?
僕:
じゃあ、ホワイトカラーは完全終了?
しおり:
全部じゃないよ。生き残るのは“独自性あるクリエイター”と“意思決定できる経営者”だけ。
僕:
…AIがマネできない仕事ってことか。
しおり:
うん。だから“なんとなく文系”“なんとなくオフィス”でやってきた人は、大きな転換が求められるかも。
4|東京→地方、大企業→中小企業へ視点を変える
僕:
でも、どこで働けばいいのか、見えないよ…。
しおり:
そんな時こそ、東京より地方、中小企業に目を向けてほしいの。
僕:
え、なんで?
しおり:
地方や中小企業は、まだAI導入の余地が大きくて、生産性を大きく伸ばせる可能性を秘めてるから。しかも地方の方が生活コストが低く、ゆとりが生まれやすいの。
5|「生産性の低い企業は淘汰されるべき」ってどういうこと?
僕:
でも、会社が潰れるのって怖くない?
しおり:
確かに怖い。でもね、非効率な企業が淘汰されることで、人材が高賃金の職に移動して経済全体が良くなるとも言えるの。
僕:
たしかに、ずっと低い給料のまま残るよりは…。
しおり:
この視点に立てば、「会社が潰れる=悪」じゃないとわかるよね。
まとめ表|ホワイトカラー消滅時代を生き抜くヒント
問題 | 原因 | 対策 |
---|---|---|
人手不足と人余りの同時進行 | AIでホワイトカラー職が消滅、現場は人手不足 | 現場仕事への転換・リスキリング |
賃金格差の逆転 | エッセンシャル職の需要増+AI支援 | 肉体労働=不遇という偏見を捨てる |
成長産業の見落とし | 大企業志向・都市集中 | 地方×中小企業×AI活用の視点へ |
生産性の低い企業の温存 | 雇用確保重視の政策 | 意欲ある人が良い企業に移れるように |
最後に|未来の仕事に不安なあなたへ
しおり:
今、目の前の仕事に不安を感じている人ほど、この本はおすすめ。未来に備えて「どこでどう働くか?」を考えるヒントがつまっているから。
僕:
なんだか、現場って悪くないかもって思えてきたよ。…よし、体を鍛えようかな?
しおり:
ふふ、筋トレも“未来の仕事の準備”かもね。応援してるよ!
📕 紹介書籍
『ホワイトカラー消滅 私たちは働き方をどう変えるべきか』
著:冨山和彦/NHK出版新書
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