―『残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法』(橘玲)より―
はじめに|「がんばってるのに、報われない」そんなあなたへ
僕 「しおり…最近ずっと思ってることがあってさ
努力してるのに、全然報われないなって。」
しおり 「うん、それってすごく多くの人が感じてることだと思うよ
特に真面目な人ほど、努力でなんとかしようと頑張っちゃうからね。」
僕 「頑張れば報われるって、信じたいけど…正直もう限界で…」
しおり 「そんなときこそ読んでほしい一冊があるの
橘玲さんの『残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法』っていう本だよ。」
僕 「タイトルからして刺さるなあ…」
しおり 「この本はね『能力は遺伝で決まる』っていう厳しい現実を受け入れたうえで
それでも自分らしく生き延びるための考え方や方法を教えてくれるんだ。」
僕 「幻想を壊すだけじゃなくて『じゃあどうするか』も示してくれるってこと?」
しおり「 そうそう!努力だけでは乗り越えられない壁を、
好きなこと、ネット、ニッチな力で超えていくヒントが詰まってるの。」
1. 能力は遺伝でほぼ決まる
僕「しおり、そもそも“能力って努力で伸ばせる”って思ってたんだけど…この本では、そんな考え方自体が間違ってるってこと?」
しおり「そうだね。著者の橘さんは、**『能力はほとんど遺伝で決まる』**って言ってるよ。実際、知能や性格、集中力、やる気なんかも遺伝の影響が大きいって研究も多いの。」
僕「それって…**『努力しても変われない』**ってこと?ちょっと絶望するんだけど…。」
しおり「ううん、変われないってわけじゃないの。ただ、“誰でも同じスタートラインに立てる”っていう前提が、そもそも幻想なんだよ。」
僕「たしかに…同じように頑張っても、結果が出る人と出ない人っているし…。」
しおり「その差が“才能”とか“センス”って呼ばれる部分なのかもしれないね。でも、ここで大事なのは**“努力が無意味”ってことじゃないの。『どこでどう努力するか』を見直す必要がある**ってことなんだ。」
僕「なるほど…。才能や遺伝のせいにして終わるんじゃなくて、その現実を前提にしたうえで、自分に合った生き方を考えるってことか。」
しおり「そう。**スタート地点は選べないけど、走り方は自分で選べる。**それがこの本の伝えたい大事な視点なんだよ。」
2. 社会で評価される能力は偏っている
僕「でもさ、しおり。たとえ能力に差があるとしても、がんばればなんとかなる分野もあるんじゃない?」
しおり「うん、がんばりはもちろん大事。でもね、“社会が評価する能力”って、実はすごく偏ってるの。」
僕「偏ってる…?どんなふうに?」
しおり「例えば、IQが高いとか、コミュ力があるとか、マルチタスクが得意とか。そういう“限られた能力”が評価されやすいのよ。」
僕「ああ…たしかに、営業職とかって“誰とでも話せる明るさ”とかが重視されるよね。」
しおり「そうそう。でも、それができないからって“使えない人”扱いされるのは、ちょっとおかしいよね。社会全体が“みんな同じ土俵に立てる”という幻想に縛られてるんだと思う。」
僕「あっ…。じゃあ、自分の強みがその“評価枠”に入ってないと、不利なままってこと?」
しおり「そういうこと。でもね、だからこそ大事なのは、自分が評価される“場所”を見つけることなんだよ。」
僕「なるほど…“努力してない”わけじゃないのに、評価されないのは**“場所”が間違ってるだけかもしれない**ってことか…。」
しおり「うん。“社会で評価される能力”にフィットしないからって、あなたの価値がないわけじゃない。あなたの能力が活かせるフィールドを探すことが、これからの時代にはもっと大事になってくるんだよ。」
3. 能力がない人は、低賃金・低地位に甘んじるしかない
僕「評価される能力が限られてるってだけでもきついのに、それがない人って、どうなっちゃうの?」
しおり「本書でははっきり言ってるよ。**“社会で評価される能力を持たない人は、低収入で不安定な職業に就かざるを得ない”**って。」
僕「それって…めちゃくちゃ残酷な話だよね。しかも、努力じゃ埋められないってなるとさ。」
しおり「そう。でも大事なのは、これは**“自己責任じゃなくて、構造の問題”**だってこと。多くの人がここを勘違いして、必要以上に自分を責めてしまうの。」
僕「“もっと頑張らないとダメだ”って、自分を追い詰めてきたけど…違ったんだな。」
しおり「そう、自分がダメなんじゃなくて、社会のルールが一部の能力だけを偏って評価してるだけなの。」
僕「でも、そんな構造の中で“底辺”って見なされるのって、やっぱりつらいよね。」
しおり「うん。でも橘さんは、そんな現実から目を背けずに、“じゃあどうするか?”っていう視点にちゃんと導いてくれるのがすごいところなんだよ。」
4. 好きなことをネットで発信せよ
僕「構造が変わらないなら、やっぱり僕らが変わるしかないってことか…。でも何をどうすれば…?」
しおり「そこで橘さんが提案しているのが、**“好きなことをネットで発信しよう”**って戦略だよ。」
僕「えっ、好きなことって趣味とか?そんなのが武器になるの?」
しおり「なるの。たとえば、盆栽とか廃墟巡りとか万年筆のレビューでもいい。ニッチなテーマでも、ネットなら世界中の誰かに届く時代なんだよ。」
僕「たしかに…僕もブログ始めてから、ちょっとだけどコメントもらえたりして、“役に立てたのかも”って思える瞬間あるな。」
しおり「それってすごく大事なこと。“誰かに必要とされている感覚”が、自分を肯定する力につながるから。」
僕「でも、好きなことが“仕事になる”なんて、ほんとにあるのかな?」
しおり「もちろん、いきなり食べていけるわけじゃない。でもね、“会社の外にもうひとつの軸”を持つことが、これからの生存戦略になるって、この本は教えてくれるの。」
5. 得意なことを好きになれ
僕「でも、好きなことって言われても…正直、自分の“好き”がよくわからなくて。」
しおり「うん、そう感じる人は多いよ。そこで橘さんがすすめてるのが、“得意なことを好きになる”って考え方なの。」
僕「得意なことを…好きになる?逆転の発想だな。」
しおり「そう。得意なことって、周りから評価されやすいから、成功体験につながりやすいんだよ。」
僕「たしかに、褒められるとちょっと好きになるかも。」
しおり「でしょ?それが自己肯定感を育てて、やる気にもつながるの。“得意→評価→好き”って好循環が生まれるのよ。」
僕「そう聞くと、まず“できること”を見直してみたくなるな。」
しおり「そうそう。無理に“情熱”を探すより、“得意なこと”から好きになっていくほうが、ずっと自然で続けやすいの。」
6. ニッチを狙え
僕「得意なことを見つけたとして、それだけで食べていけるのかな…?」
しおり「うん、そこがポイントなんだよね。橘さんが強調してるのは、“ニッチ市場で一番になる”っていう戦略なの。」
僕「ニッチ市場…つまり、すごく狭い分野ってこと?」
しおり「そうそう。たとえば“英語が話せる美容師”とか、“登山ガイドができる経営コンサル”みたいに、スキルのかけ算で唯一無二の存在になることが大事なの。」
僕「なるほど…“平均”を目指すより、“ちょっと変わった強み”のほうが生き残れるんだ。」
しおり「うん。大衆向けの競争は激しいけど、ニッチはブルーオーシャン。そこでトップを取れば、自分だけの価値になるよ。」
僕「自分の“組み合わせ”を見直してみたくなったよ。案外、強みになるものが眠ってるかもしれないね。」
しおり「その視点、大事だよ。“ちょっと珍しい”は、実はすごく強い武器になるの。」
7. インターネットのツールを使いこなせ
僕「しおり、ネットって便利だとは思うけど…正直ついていけないって感じるときもあるよ。」
しおり「うん、その気持ちもすごくわかる。でもね、今の時代“ネットが使えるかどうか”が、そのまま“経済格差”につながってしまうの。」
僕「え、そんなに…?ただのツールでしょ?」
しおり「たしかにツールなんだけど、SNS・ブログ・YouTube・AI…どれも“無料で使える強力な武器”なのに、それを活かせないと“存在しない”のと同じになっちゃうの。」
僕「なんだかドキッとするな…“苦手”で済ませちゃいけない時代なんだね。」
しおり「そうなの。だからこそ、“ひとつでもいいから使えるツールを持つ”ってことが、これからのサバイバルには欠かせないと思うよ。」
僕「まずはひとつ…か。ブログとか、YouTubeとか、自分に合ったものでチャレンジしてみようかな。」
しおり「うん、その一歩がすごく大事。“発信力=武器”になる時代だもんね。」
8. 幸せになりたければ、会社以外に居場所を持て
僕「しおり、僕ね…仕事以外に何か打ち込めるものって、正直あんまりなくて。」
しおり「うん、それも自然なこと。でもね、**“会社=人生のすべて”にしちゃうのはすごく危険”**なの。」
僕「うすうす感じてはいたけど、どうしてそんなに危ないの?」
しおり「たとえばね、もし会社でうまくいかなくなったら、自分の価値も全部失ったような気分になってしまうでしょ?
でも、家庭や趣味、SNSのつながり、地域の活動など、会社以外に“自分の居場所”があれば、心が壊れにくくなるの。」
僕「たしかに…会社で評価されなくても、誰かに必要とされてる実感があれば救われる気がする。」
しおり「その通り。たとえば、ブログの読者に『参考になりました!』って言われただけでも、人はちゃんと救われるのよ。」
僕「そういう“居場所”って、自分で作っていくものなんだね。」
しおり「うん、“承認の分散”ってとっても大切。誰か一人に依存しない、どこか一つに縛られないことが、これからの時代の幸せのカギになるんだよ。」
まとめ|“報われない努力”に悩むあなたへ
問題 | 原因 | 対策(本書からのヒント) |
---|---|---|
頑張っても報われない | 能力は遺伝で決まる部分が大きく、社会の評価軸が偏っている | 得意なことを見つけて、そこに集中する |
他人と比べて劣等感を感じる | 社会の枠組みが画一的で、平均値で評価されがち | ニッチを狙い、自分だけのポジションを築く |
将来に不安がある | “会社”だけに頼ると、変化に弱くなる | ネットや副業を通じて、自分の軸を持つ |
何をすればいいかわからない | 好きなことが見つからない/評価されないことをやっている | 得意なことを“好き”に育てる |
SNSやネットに疎い | 情報格差=経済格差の時代 | ツールを一つずつ試して、武器に変える |
孤独を感じやすい | 承認が会社の中にしかない | 家庭・趣味・地域など、居場所を複数持つ |
最後に|「努力が報われない」と感じるあなたへ
僕「…読んでて、ちょっと泣きそうになった。
“努力じゃ届かない現実”って怖いけど、それでも“できること”があるんだって思えたよ」
しおり「うん、“現実を知る”って時にはつらいけど、
それは“あきらめ”じゃなくて、“新しい戦い方”を見つけるための第一歩なんだよ」
僕「これまでのやり方にこだわりすぎてたのかもな…
好きなこと、得意なこと、ネット…もう一度、ちゃんと考えてみたいな」
しおり「それでいいんだよ。
“努力が報われない”って悩んでたあなたも、
今日からは“努力の方向”を変えてみて。
人生は、戦略で変えられるからね🌱」
僕「うん、ありがとうしおり。
また迷ったら、ここに来るよ」
📘 書籍情報
タイトル:『残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法』
著者:橘玲(たちばな あきら)
出版社:幻冬舎
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