“勝ちにいかない”から勝てる!インデックス投資という最強の凡人戦略

投資とお金

はじめに|“投資で勝ちたい人”こそ読むべき一冊

「最近さ、投資ってみんな始めてるじゃん。でも“どれが正解なの?”って思うと、怖くて一歩が踏み出せないんだよね…」

しおり「うん、それすごくよくわかるよ。“投資=特別な人がやること”って思っちゃう人も多いし、下手にやって失敗するのも怖いしね。」

「そうそう。プロに任せるのが一番安全なんじゃないかって…」

しおり「ふふ、実はね、そんな“投資で勝ちたい人”ほど読んでほしい一冊があるの。
それがこちら──ジョン・C・ボーグルさんの
『インデックス投資は勝者のゲーム』(パンローリング社)だよ。」

「タイトルからしてもう、“地味だけど勝てるやつ”っぽい雰囲気あるね。」

しおり「まさにその通り。著者のボーグルさんは、世界最大級の投資信託会社『バンガード』を創設した“インデックスファンドの父”。
この本では、“投資に勝つために勝ちにいかない”という逆説的な戦略を、初心者にもわかりやすく教えてくれてるの。」

「勝ちにいかないのに勝てる…? それ、詳しく聞かせてほしい!」

しおり「もちろん。一緒にゆっくり読み解いていこうね📘」

1. インデックスファンドってなに?

「ねえしおり、そもそも“インデックスファンド”ってどういう意味なの?名前からしてちょっと難しそう…」

しおり「うん、最初はそう感じるよね。でもすごくシンプルなの。
インデックスファンドっていうのは、**“株価指数(インデックス)と同じような動きをする投資信託”**のことなんだ。」

「株価指数っていうと…ニュースで聞く“日経平均”とか“S&P500”とか?」

しおり「そうそう、大正解✨ たとえば“S&P500”に連動するファンドを買うと、アメリカの代表企業500社にまとめて投資しているのと同じ効果になるの。すごく効率的で、分散もされてるからリスクも低めなの。」

「えっ、そんな便利なものがあるの?じゃあ個別株を選ぶ必要ないの?」

しおり「ないよ。プロでも難しい銘柄選びを、私たちが無理にやらなくていいっていうのがインデックスファンドの魅力なんだよ✨」

「たしかに、それなら“投資初心者の僕”にも始められそうな気がしてきた!」

しおり「うん。“市場全体に乗る”っていう考え方は、投資の王道中の王道。
次は、**どうして“プロでも市場に勝てないのか”**を見ていこう

2. なぜ“プロでも市場に勝てない”のか?

「でもさ、やっぱりプロが運用してる“アクティブファンド”の方が、成績いいんじゃないの?」

しおり「うん、そう思うよね。実際、アクティブファンドは“市場平均を上回ること”を目指して運用されてるんだけど──」

「けど…?」

しおり実際は、90%以上のアクティブファンドが市場平均に勝てていないの。
アメリカのS&P500という指数と比べたデータでは、15年間で約9割が負けてるって報告されているんだよ。」

「ええっ!? プロが本気出して負けちゃうの?」

しおり「そうなの。どんなに分析しても、未来の株価を完璧に予測することは誰にもできないから…。
しかもアクティブファンドは運用コストも高いから、仮にちょっと勝てても手数料でその利益が削られちゃうことも多いの。」

「それってつまり…“頑張ってるのに、報われにくい投資”ってこと?」

しおり「うん、ちょっと切ないけど現実なんだ。
だからジョン・C・ボーグルさんは“勝とうとしない戦略こそ、勝者の道”って教えてくれてるんだよ。」

「なんか、すごく腑に落ちた…。変に出し抜こうとしない方が、結局うまくいくのかもね。」

しおり「そういう気づきが大事だよ🌱
次は、その勝敗を左右するもうひとつの“盲点”──手数料について話そうか。」

3. 手数料が資産形成の“天敵”になる理由

「でもさ、手数料って言っても、数パーセントとかでしょ?そんなに気にするほど?」

しおり「それがね、長期投資において“数パーセント”はとんでもなく大きい差になるんだよ。」

「えっ、たとえばどれくらいの差が出るの?」

しおり「じゃあ仮に、1,000万円を30年間、年5%で運用したとするね。
もし手数料が1%かかると最終的な資産は約3,740万円
でも、手数料が0.3%なら、なんと約4,320万円になるの。」

「えっ、手数料だけで580万円も違うの!?うそでしょ…」

しおり「ほんとだよ。しかもこれは“運用成績がまったく同じ”なのに、手数料の差だけで生まれた違い。
だからボーグルさんは言ってたの。“コストこそが最大の敵”って。」

「確かに、地味だけど強烈な敵だ…。っていうか、そんな高い手数料のファンドって普通に売ってるの?」

しおり「うん、アクティブファンドでは年間1〜2%の信託報酬がかかることもあるし、購入時に買付手数料まで取るものもあるの。
それに対して、良心的なインデックスファンドは0.1〜0.3%くらいで済むものが多いよ。」

「投資って“どれを買うか”も大事だけど、“いくら取られるか”もちゃんと見ないとダメなんだね…!」

しおり「その通り✨ だから次は、“どんなインデックスファンドを選べば安心か”について見ていこうか。」

4. 優良ファンドの選び方と注意点

「しおり、インデックスファンドがいいのは分かったけど、いっぱい種類があって正直迷うんだよね…」

しおり「うん、たしかに“インデックスファンド”って言ってもピンキリなんだ。
だから、“手数料が低いかどうか”だけじゃなくて、他のポイントもチェックするのが大切だよ。」

「たとえば、どんなところを見ればいいの?」

しおり「大きく3つあるよ。
1つ目はさっきも出た信託報酬の低さ。これは絶対条件。
2つ目は、運用会社の信頼性。バンガード、ブラックロック、ニッセイ、三菱UFJアセットマネジメントなんかが有名だね。
3つ目は、純資産額が多くて、取引が活発(=流動性が高い)かどうか。」

「ふむふむ…そういうのって、どうやって調べるの?」

しおり「証券会社のサイトやモーニングスター、楽天証券・SBI証券のランキングでも確認できるよ。
ちなみに、**『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』**は、コストも低くて人気のインデックスファンドだよ📈」

「あ、聞いたことある!それなら初心者でも安心そうだね!」

しおり「うん。あと注意点としては、“買付手数料がかかるファンド”は避けた方がいいかな。最近は“ノーロード”(=買付手数料ゼロ)のファンドが主流だからね。」

「なるほど〜。選ぶ時点でだいぶ差がついちゃうんだね…!」

しおり「うん、だから“なんとなく”で選ばず、最初だけは少しだけ時間をかけて選んでほしいな📘
じゃあ次は、リスクを抑えるために**“もうひとつの資産”**について話そうか。」

5. 債券ファンドでリスクを分散しよう

「ねえしおり、さっき“もうひとつの資産”って言ってたけど…まさか、また別のファンド?」

しおり「そうだよ。今度は**“債券ファンド”**の話だね。」

「債券って…なんか地味そうだけど、そんなに大事なの?」

しおり「実はとっても大事。株式ファンドは利益が大きくなる可能性があるぶん、価格の変動も大きいの。
それに比べて債券ファンドは値動きが小さくて安定してるから、“リスクを分散するクッション”として役立つんだよ。」

「なるほど…でも正直、儲かるの?」

しおり「正直に言うと、債券ファンドだけでは株式ほど大きなリターンは期待できないかな。
でも景気が悪くなったとき、株価が暴落しても債券の価値は比較的安定しているから、精神的にかなり助けられるの。」

「たしかに、全部が一気に下がるのは怖すぎる…」

しおり「うん。だからジョン・C・ボーグルさんも、“インデックスファンドだけじゃなく、債券ファンドも一緒に持っておくべき”って提案してるんだよ。」

「なるほど。なんだか、“攻め”の株と“守り”の債券って感じだね!」

しおり「その例え、すごくいいね✨
次は、**“どれくらいの割合で持てばいいのか”**っていう資産配分(アセットアロケーション)について話してみようか。」

6. 年齢別!株と債券のベストバランス

「しおり、株と債券を両方持ったほうがいいのはわかったけど、どれくらいの割合で分ければいいの?」

しおり「いい質問だね。
これは“アセットアロケーション”っていって、投資成果の9割以上はこの割合で決まるっていう研究もあるぐらい、大事なポイントなんだよ。」

「えっ、そんなに? じゃあ適当に半分ずつとかじゃダメなのか…」

しおり「実は、“半分ずつ”も悪くはないけど、年齢やライフステージによって調整するのが理想的なの。
たとえばこんな感じ──」

📊 年齢別の資産配分の目安

  • 20〜30代:株式80% / 債券20%
     →長期運用が可能な時期。多少の値動きも成長のチャンス。
  • 40〜50代:株式60% / 債券40%
     →少しずつ守りを意識しながら、まだ増やせるタイミング。
  • 60代以降:株式40% / 債券60%
     →資産を減らさないことを優先。安全第一の運用へ。

「おお、なんか人生の“投資体力”みたいな感じだね!」

しおり「そうそう。若いうちはリスクをとって成長を狙い、年齢とともに徐々に守り重視へとシフトしていくのが王道だよ。」

「僕はまだ30代だから、株式多めでいけそうだ!」

しおり「うん、無理のない範囲でね☺️
じゃあ次は、意外と落とし穴になりやすい**“プロに頼るリスク”**について話していこうか。」

7. アドバイザーに頼ると損をする!?

「でもさ、いくら勉強しても投資ってやっぱり不安で…。
プロに相談するのってダメなことなの?」

しおり「相談すること自体は悪くないよ☺️
ただね、“利益のために商品を売る人”と“あなたのために本気で考える人”は、必ずしも同じじゃないってことは覚えておいてほしいの。」

「え…つまり、営業トークってこと?」

しおり「うん。金融アドバイザーの中には、手数料の高い商品をすすめて、自分の利益を優先する人も少なくないの。
そして、商品を乗り換えるたびに売買手数料や税金がかかって、資産がジワジワ削られていくこともあるの。」

「それって…僕の財布から気づかれないように小銭を抜かれる感じ…」

しおり「まさにそれ。
だからジョン・C・ボーグルさんは、**“自分の資産は自分で守るべき”**ってはっきり言ってるんだよ。
難しく感じるかもしれないけど、インデックス投資はむしろ“ほったらかし”が基本だから、プロに任せる必要すらないの。」

「知識ゼロのまま誰かに任せるより、少しずつでも勉強して、自分で判断できるようになる方がいいってことか。」

しおり「うん、その姿勢こそが“投資で損しない最大のコツ”かもしれないね🌱
じゃあいよいよ最後──**投資に必要な“たったひとつの勇気”**について話そうか。」

8. “動かない勇気”こそが投資の勝者の条件

「ここまで聞いてだいぶイメージ掴めてきたけど、正直ひとつだけ不安があってさ…」

しおり「うん、どんな不安?」

「もし投資したあとに、株価が急落したらどうしようって。
“下がってるのに何もしない”って、すごく怖いよ…」

しおり「うん、その気持ち、よくわかるよ。
でも実はそれ、**インデックス投資でいちばん大事な“試練”**かもしれない。」

「試練…?」

しおり「市場はいつだって上下するから、下がった時に“売らない勇気”を持てるかどうかで、その後の結果は大きく変わるの。
2008年のリーマンショックでも、何もしなかった人が結局いちばん資産を増やしたっていうデータもあるんだよ。」

「売らずに…じっと耐えてた人が勝ったんだ…!」

しおり「そう。“何もしない”ことは“何も考えていない”ことじゃない。
ちゃんと信じて“待てる人”が、最終的にリターンを受け取るんだよ✨」

「じゃあ僕も、目先の上下に惑わされずに、静かに持ち続けるって決めようかな。」

しおり「うん。投資って“行動力”より、“持ち続ける力”のほうがずっと大切なんだ。
焦らず、コツコツと。“市場を信じて、動かない勇気”──それが、ボーグルさんが私たちに伝えたかったことだよ。」

まとめ|インデックス投資の“勝てる理由”をおさらい

問題原因対策
投資で失敗するのが怖い市場の変動に動揺してしまう市場全体に投資するインデックスファンドを選ぶ
手数料が気づかないうちに資産を削る高コストのファンドやアドバイザーの報酬がかかる信託報酬が低く、ノーロードのファンドを選ぶ
どの資産にどれだけ投資すればいいかわからない年齢やライフステージに合わせた配分ができていない株式と債券を年齢に応じてバランスよく組み合わせる
プロに任せたくなる自分では判断できないという不安自分で学び、“持ち続ける勇気”をもつ

最後に|“勝ちにいかない”から勝てるんだ

「いやぁ…思ってたよりずっと奥が深かった。
“インデックス投資=地味”って思ってたけど、“地味こそ最強”だったんだね。」

しおり「うん。目立たないけど、再現性が高くて、長期で見れば誰にでも“勝者”になれる可能性がある──
それがボーグルさんの教えなんだと思うよ📘」

「ありがとう、しおり。なんかちょっと、投資に向き合う自信が出てきた気がする。」

しおり「それならよかった🌱
投資って、難しさよりも“習慣化”が大事だからね。今日の気づきを、ぜひこれからに活かしてみて。」

「うん、少額でもはじめてみるよ。じゃあ、また本の相談しに来てもいい?」

しおり「もちろん。いつでも待ってるよ📚」

📘書籍情報

『インデックス投資は勝者のゲーム ── 株式市場から利益を得る常識的方法』
著者:ジョン・C・ボーグル
出版社:パンローリング株式会社

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