読書が続かない社会人へ|“本を読めない理由”と“読む習慣を取り戻すヒント”

習慣・生活

ようこそ『しおりと僕の図書館相談〜本で紐解く人生のヒント〜』へ📚

今回ご紹介するのは、文芸評論家・三宅香帆さんの著書『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(集英社)です。

学生時代は夢中で読んでいたのに、社会人になったとたん本が開けなくなった…。 そんな悩みを持つ人にこそ、ぜひ手に取ってほしい一冊です。

本書では、読書に限らず趣味からも遠ざかってしまう背景に、私たちの働き方や価値観がどう関わっているのかを丁寧にひも解いてくれます。

私たちが働き始めると徐々に本を読めなくなっていってしまう理由

僕: 社会人になってから、なぜか読書の習慣が続かなくて…時間がないからかな?

しおり: 実はね、三宅香帆さんは「本が読めないのは時間のせいじゃない」って言ってるの。スマホゲームやSNSを触る時間はあるのに、本だけ読めない…それって構造的な問題かもしれないの。

僕: 構造的って…つまり、僕たちの暮らし方や社会の仕組みに原因があるってこと?

しおり: そういうこと。特に「働き方」や「働くことの価値観」が大きく関係してるんだよ。

仕事に全身全霊で取り組むことを求められすぎている

僕: たしかに、仕事って常に全力でやらなきゃって空気あるよね。前の会社でも、遅くまで残ってる人が偉いみたいな感じだった。

しおり: それがまさに問題なの。全力で働くことが“美徳”とされていると、趣味や読書に使えるエネルギーがどんどんなくなっちゃう。

僕: なんか「頑張ってる人=正しい」って刷り込まれてる気がするな…。でも、ずっと全力ってさ、いつか燃え尽きちゃうよね。

しおり: そうなの。著者も、そうした「全身全霊信仰」が心身の限界を超えさせてしまうって警鐘を鳴らしてるよ。

僕: 働くって、もっと自然体でいいのかもな…

本は自分が望んでいない情報が入っていることが多いから

僕: 最近さ、本を開いても「これ、今知りたかったことじゃない…」って思って、すぐ閉じちゃうんだよね。

しおり: それもまさに今の時代の特徴なんだよ。私たちはSNSやYouTubeで、効率よく“欲しい情報だけ”を取る習慣がついちゃってる。

僕: たしかに。SNSは自分の好みに合った投稿しか流れてこないし、検索も答えをすぐくれる。

しおり: でも本は違う。著者が言うように、本には“ノイズ”がたくさん含まれてるの。つまり、今の自分に必要か分からない情報や、回り道になる内容。

僕: それが億劫に感じちゃうんだよなあ…。でもたまに、その“ノイズ”が心に刺さることもあるんだよね。

しおり: そう! その“遠回り”にこそ、読書の豊かさがあるってこと、忘れちゃいけないよ。

働いてもなかなか楽にならない社会の格差

僕: 正直、いくら働いても生活が楽になる実感がないんだよね。むしろ出費が増えて、心の余裕が減っていく感じ。

しおり: それも著者が強調してることのひとつ。「余裕がない社会」では、文化的な活動や趣味にまで手が回らなくなってしまうの。

僕: そっか…読書って、ある意味“ぜいたく”な時間なんだよね。エネルギーも集中力も必要だし。

しおり: そう。だからこそ、日々の暮らしに“余白”を取り戻すことが、読書への第一歩になるんだよ。

全身で働かずに、半身くらいで仕事や趣味にコミットする

しおり: そこで著者が提案してるのが「半身で働く」という考え方。

僕: 半身?なんか聞き慣れない言葉だな。

しおり: 「全力投球じゃなくていいよ」ってこと。週3勤務や副業と組み合わせるなど、仕事だけに自分を捧げない働き方をしようっていう提案。

僕: それ、すごくいいかも。最近、自分の時間を削って働いてばっかりで、何のために生きてるんだろう…って思うときあるもん。

しおり: 半身で働くと、残りの半分のエネルギーを趣味や家族に向けられる。そうすると人生に“彩り”が戻ってくるんだよ。

1つのことにコミットしすぎるのを賞賛するのをやめる

僕: でもさ、現実的に「頑張ってる人」って褒められるし、評価されるじゃん? それが普通って思ってたかも。

しおり: そこが落とし穴なの。著者は、「無理してでも頑張る人を美化する文化」をもうやめようって呼びかけてるの。

僕: たしかに…「休まず頑張るのが美しい」って価値観がある限り、誰かが潰れていくんだよね。

しおり: そう。だからこそ、「ちゃんと休む」「趣味を大切にする」こともかっこいいって思える世の中にしていきたいよね。

「仕事以外のことにコミットできていない」状況に疑問を持ち、「バランス」を意識する

僕: 社会人になってから、ゲームも映画も読書もなんだか楽しめなくなってきててさ…。仕事しかしてない気がする。

しおり: それが異常って気づけることが、まずは大事なの。著者も言ってる。「人生のすべてを仕事に捧げる必要なんてない」って。

僕: 仕事だけで終わる人生って、すごく狭い感じがするんだよね。もっと色んなものに触れていたいのに。

しおり: だからこそ、日常に“バランス”を取り戻すこと。食事もバランスが大事でしょ? 人生だってそう。

著者と同じように独立して成功した方が早いのでは・・?

僕: でも正直、今の会社にいたままじゃ難しいかも…。だったらいっそ、著者みたいに独立して自分のペースで生きるほうがいいんじゃ…?

しおり: それも一つの選択肢だね。著者は会社を辞めて、自分の読書スタイルや生活リズムを取り戻した。

僕: 僕も、いつか“読むことが仕事”みたいな働き方ができたらいいな…まずは副業とか、小さな一歩から始めてみるよ。

しおり: うん、その一歩がきっと“ゆとりある読書時間”につながっていくはず。


補足コーナー:読書の形はもっと自由でいい

僕: しおり、最近思うんだけど、必ずしも“本を読む”って紙の本を開くことじゃなくてもいいんじゃないかな?

しおり: うん、まさにそう!いまは書籍の解説ブログやYouTubeの要約動画でも、本のエッセンスがしっかり学べる時代だよ。

僕: 僕、通勤中に解説動画を聞いたり、要約記事を読むだけでもかなり学べる気がしてて…「ちゃんと読まなきゃ」ってプレッシャーを手放せた気がするんだよね。

しおり: しかも、最近はNotebookLM──通称ノエルちゃん、にURLを貼るだけで、ブログを要約してくれたり、音声で読み上げてくれたりもするの。

僕: え、それ完全にオーディオブックじゃん!すごい、忙しくても“聞きながら読書”ができるんだ。

しおり: そう。だから「本を読む時間がない」って思ったときは、読む形を柔軟に変えてみるのも一つの方法だよ。現代には、たくさんの選択肢があるからね。


まとめ|“本を読む時間”は、ゆとりをもつことから始まる

読めない理由背景・原因解決のヒント
時間がない?実は構造の問題半身で働く
本が長いノイズに弱くなってる余白を楽しむ姿勢
生活に余裕がない社会的格差と疲弊働き方と価値観の見直し

僕: 読書の悩みって、実は働き方や社会の価値観とつながってるんだね。単なる“やる気の問題”じゃなかったんだ。

しおり: そう、自分を責める必要はないよ。まずは“ゆとり”を持つこと。そこから、読書も人生もきっと豊かになるはず📖

ラストメッセージ|読書のかたちは一つじゃない

僕: 最近は紙の本を開けなくても、ブログや音声で読書ができるんだって思うようになったよ。

しおり: うん、それも立派な読書だよ。大事なのは“どんな形でも学びと出会いがある”ってこと。

僕: 無理せず、自分のスタイルで楽しめばいいんだね。

しおり: そう。読書のかたちは、ひとつじゃないから🌿

📘 紹介書籍の情報

書籍名:『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』
著者: 三宅香帆(みやけ・かほ)
出版社: 集英社(集英社新書)
ジャンル: 働き方・読書・ライフスタイル・現代社会の考察

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