信じる力が文明を作った?|しおりと僕が読み解く“虚構”の力

歴史

はじめに|信じる力が人類を動かした?

僕: ねえ、しおり。ふと思ったんだけど、なんで人間だけがこんなに地球を支配できるようになったんだろう。
体もそんなに強くないし、爪も牙もないのにさ。

しおり: うん、それってすごく大切な問いだね。
実は、その答えが今日紹介する一冊にぎゅっと詰まっているの。

僕: どんな本?

しおり: ユヴァル・ノア・ハラリさんの『サピエンス全史』。
**“なぜホモ・サピエンスだけがこれほど繁栄できたのか?”**を、歴史・科学・哲学を組み合わせて解き明かす一冊なんだよ。

僕: おぉ…なんかスケールでかそうだけど、気になるな。

しおり: この本の一番のキーワードはね、「虚構(フィクション)の力」
つまり、実体のないものを“みんなで信じる”ことによって、サピエンスは他の動物とは比べ物にならない規模の協力ができたというのが、この本の主張なの。

僕: 虚構って…嘘の話? そんなもので人類がここまで発展したの?

しおり: そう思うよね。でもね、たとえば**「国家」「宗教」「お金」「法律」**って、実体があるようでいて、**実は“みんなが信じているから存在しているもの”**なんだよ。

僕: あっ…たしかに。そう言われると、目に見えないものばっかりだ。

しおり: だからこそ、私たちは“物語を信じる力”で社会を作ってきた生き物だとも言えるの。
そして、その力は今も、あなたの身近なところで働いているかもしれないよ。

僕: …なんだか、見えてる世界がちょっと変わりそうだな。
よし、しおり。一緒にこの“虚構の力”を読み解いてみよう。


1. サピエンスが“最強の動物”になれた理由

僕: サピエンスって、もともとはアフリカの草原を歩いてたただの動物だったんだよね?
それがどうして、地球の支配者みたいになったんだろう。

しおり: うん、体のつくりだけで見れば、サピエンスはとても弱い動物だったの。
牙もない、爪もない、走っても遅い。
でも一つだけ、他の生物にはない「ある力」があった。

僕: ある力?

しおり: それが、「想像する力」。
つまり“現実に存在しないものを思い浮かべ、それを他人と共有する力”だよ。

僕: あっ…それって前に話してた“虚構”の話につながる?

しおり: そう。サピエンスは「ライオンが近くにいる」っていう現実の情報だけじゃなく、
「この森には神様がいて、ルールを破ると罰が当たる」みたいな、“物語”を語れるようになったの。

僕: なるほど…。それが協力する力につながるの?

しおり: うん。チンパンジーなどの動物は、せいぜい50匹ぐらいの仲間としか協力できないの。
でもサピエンスは、「神」「部族」「国」といった“みんなが信じる物語”を通して、何千人・何万人単位で協力することができた。

僕: たしかに。見たこともない人と、お金を通じて取引したりするもんね。
現代人のほうが、はるかに“集団プレイ”が得意だ。

しおり: その“集団で動ける知恵”こそが、サピエンスが他の種を凌駕した最大の理由なんだよ。
ただの動物が“社会を持つ生き物”になった、その始まりがここにあるの。


2. “ウソ”が人類をつなげた?

僕: でもさ、しおり。“嘘”とか“虚構”って、本来よくないものってイメージがあるよね。
なのに、それが人類の進化を助けたって、ちょっと不思議じゃない?

しおり: うん、それすごく大事な視点だね。
たしかに道徳的には嘘は良くないことってされてるけど、“建設的な嘘”は、人類にとってとても大きな意味を持っていたの。

僕: 建設的な嘘…?

しおり: たとえば、「天国に行けるから、良い行いをしましょう」っていう宗教の教え。
それが本当かどうかは証明できないけど、それを信じた人たちは、同じ価値観のもとで行動をそろえることができた。

僕: たしかに、共通の“物語”があるから秩序が保てたってことか。

しおり: そう。宗教も、国家も、企業も、全部“みんなが信じる”ことで成り立っているフィクションなんだよ。
でもそれがあるからこそ、何百万という人が協力して、ピラミッドや宇宙開発までできるようになった。

僕: フィクションって聞くと、どこか夢物語みたいな感じがするけど…
現実を動かす力にもなるんだね。

しおり: うん。“現実を超える力”を持っているのがフィクションなんだよ。
もし人類に“みんなで信じる力”がなかったら、これほど大きな文明は築けなかったかもしれないね。

僕: すごいな…。今まで「嘘は悪いこと」って思ってたけど、ちょっと見方が変わってきた。

しおり: 大事なのは、**“そのフィクションが人をつなぎ、前に進ませるものかどうか”**なんだと思う。
虚構にも、善い虚構と悪い虚構があるんだよ。


3. 農業革命は“罠”だった?

僕: サピエンスって、狩猟採集の生活から農業を始めたんだよね?
そこが文明のスタートってイメージがあるけど…なんで“罠”なの?

しおり: そう思うよね。でもね、ハラリさんはこの農業革命を**「史上最大の詐欺」**って呼んでるの。

僕: 詐欺…?え、農業って悪者だったの?

しおり: 実は、人類が農耕を始めたことで得たものより、失ったものの方が大きかったっていうんだよ。

僕: どういうこと?たくさん食べられるようになったんじゃないの?

しおり: たしかに安定した食料は手に入るようになった。
でもその代わりに、人々は同じ土地に縛られて、単一の作物に依存し、不作や飢饉のリスクが高まった。
健康状態も狩猟採集時代より悪くなったとも言われているんだ。

僕: えっ…むしろ不健康になったってこと?

しおり: うん。農業によって食料は増えたけど、労働時間は長くなり、体の酷使も増えた。
さらには人口が急増して、戦争や格差、支配といった“文明病”のはじまりにもつながったの。

僕: それ…たしかに、罠かも…。

しおり: そう、農業は「個人にとっては不利」でも「集団としては有利」だった。
だから結果的に広まったの。効率的に人間を増やせたからね。

僕: サピエンスって、自分で進んで罠にハマったんだな…。
でもそれがなかったら、今の世界もなかったんだろうな。

しおり: うん。良いことばかりじゃないけど、それも人類の選択だった。
その選択が、次の“想像の世界”=神話や国家、そして帝国の誕生へとつながっていくんだよ。


4. 神話と法律は“物語”だった?

僕: 農業のあとに来たのが、都市とか国家の誕生なんだよね?
でも、どうやってそんな大人数をまとめていったんだろう…。

しおり: そこで登場するのが、“物語”としての神話や法律なんだ。
何万人もの人が一つの社会として協力するためには、共通の信じるものが必要だったの。

僕: それが、宗教とかルールってこと?

しおり: そう。たとえば、「王様は神の子孫だから従うべき」とか、「神が定めた掟を守れば天国に行ける」とか。
それが事実かどうかではなく、みんなが信じることができたから、社会がまとまったの。

僕: なるほど…。目に見えない“正しさ”をみんなで共有してたんだ。

しおり: うん。そして法律も同じ。
「人を殺してはいけない」っていうルールは、**“自然界には存在しないけれど、社会が機能するために作られたフィクション”**なんだよ。

僕: たしかに…。ライオンには法律なんてないもんな。

しおり: サピエンスは、“物語で秩序をつくる”というすごい方法を編み出したの。
それは、宗教でも法律でも、国家でも会社でも同じ。
みんながその物語を共有しているからこそ、見ず知らずの人とも協力できるようになったんだよ。

僕: じゃあ、僕らが信じてる「常識」って、意外とただの“物語”なのかもね…。

しおり: そう、「これは当たり前」って思ってることほど、実は誰かが作った物語だったりするの。
その視点を持つことって、すごく大切だよ。


5. お金と企業も“フィクション”だった?

僕: 神話や法律が“物語”だったって聞くと、けっこう衝撃なんだけど…
まさか、お金や企業もそうなの?

しおり: うん、実はそれも“虚構”なんだよ。
お金そのものには、紙や数字以上の価値はないけど、みんなが「価値がある」と信じているから機能しているの。

僕: えー…でも、みんな使ってるじゃん?信じてるって感覚、あんまりなかったな。

しおり: そうだよね。私たちは小さい頃から「お金は大事」って教えられてるから、それが**“当たり前の真実”みたいに感じてる**んだよね。
でも実際は、どんな通貨も“ただの約束”にすぎない。

僕: なるほど…「この紙を渡せばパンがもらえる」って、みんなが信じてるから成立してるのか。

しおり: そう。そして企業も同じ。
たとえば「トヨタ株式会社」っていう名前はあるけど、建物でも社員全員でもない。
それ自体は“法律上のフィクション”なんだよ。

僕: …そうか、法人っていうのも、実体があるようでない存在なんだ。

しおり: お金や企業の“想像の産物”としての側面を理解すると、社会の仕組みがぐっとクリアになるよ。
それに、自分が何に価値を置いているかも見えてくる。

僕: ちょっと怖い気もするけど…「信じる力」が社会のエンジンなんだな。

しおり: そう。“信じる物語が違えば、社会のかたちも変わる”ってことを忘れずにいたいね。


6. 科学革命が生んだ“無限の未来”

僕: 人類の歴史の中で、科学っていつから急に進化し始めたんだろう?

しおり: それがまさに「科学革命」なんだよ。
およそ500年前、サピエンスが“あること”に気づいた瞬間から世界が変わりはじめたの。

僕: あること?

しおり: 「自分たちはすべてを知らない」っていうこと。
それまで人間は、宗教や神話がすべての答えを持っていると思い込んでいた。
でも科学革命以降、“知らない”という前提に立つことで、新しい知識を追い求めるようになったんだよ。

僕: 知らないことを認めたから、知ろうとする意欲が生まれたんだね。

しおり: そう。例えばガリレオやニュートンみたいな科学者たちは、
「世界は神の意志で動いてる」じゃなくて、「自然法則があるのでは?」と仮説を立て、検証し始めた。

僕: 今の科学の基礎が、そこから始まったんだ…。

しおり: うん。科学革命の本質は、“無知の発見”だったの。
「もっとよく知ろう」「未来を予測できるようになろう」っていう姿勢が、テクノロジーや経済の急成長につながっていったんだよ。

僕: たしかに…それがなかったら、宇宙も遺伝子も、今のように解明されてなかったかも。

しおり: うん。そしてその科学が、次の“資本主義”や“帝国”を生み出す大きなエネルギーにもなっていくんだ。


7. 資本主義が支配した世界

僕: 科学革命がきっかけで、テクノロジーが進歩したのは分かるけど…
どうして資本主義がそこに関係してくるの?

しおり: 実は、**科学と資本主義は“お互いに支え合う関係”**にあるんだよ。
科学にはお金が必要で、資本主義は未来の成長に投資したがる。
この2つが組み合わさったことで、人類はとてつもない加速度で前に進んだの。

僕: 投資して、研究して、また利益を出して…って循環か。

しおり: そう。そして、資本主義を動かす最大のキーワードは**「信用」
「将来、もっと儲かるから、今お金を貸していいですよ」っていう、
“未来を信じる力”**が資本主義の根幹なの。

僕: あ、それ…“虚構”の話とつながる!

しおり: まさに。
「経済成長は続く」っていう物語を信じることで、国も企業もどんどん借金して、未来へ投資することができた。
それが、近代国家の発展や、世界中に広がるグローバル経済を生み出したの。

僕: でもその分、格差や環境破壊とかの問題も出てきたよね…。

しおり: そう、資本主義は「前へ進む力」にはなるけど、「どこで止まるか」が難しい仕組みでもあるんだよ。
便利になった反面、心や社会が置き去りになってしまうこともあるからね。

僕: “未来を信じる”って力はすごいけど、ちゃんとバランスを見て使わないと、ってことか。

しおり: うん。「信じる力」が社会を動かしている――それがサピエンスの本質なんだって、ここでも分かるよね。


8. 帝国という“巨大フィクション”

僕: 資本主義と科学が組み合わさって、すごい勢いで世界が動いたのは分かったけど、
そこに「帝国」ってどう関わってくるの?

しおり: いい質問だね。
実はね、帝国もまた“想像の産物”、つまりフィクションのひとつなんだよ。

僕: えっ…国とか支配って、もっと現実的なものじゃないの?

しおり: 見た目はね。でも考えてみて。
ローマ帝国や大英帝国の支配って、無数の人間が「この国のルールに従うべき」って信じたから成り立ってたでしょ?
地図に線を引いたところで、信じる人がいなければ意味をなさないの。

僕: たしかに…国境線だって、人間が決めただけだしなぁ。

しおり: そう。
「皇帝が神の代理人である」「帝国の文明は優れている」っていう物語を信じさせることで、多くの民族や文化をまとめてきたんだ。

僕: それで植民地支配も正当化されてたんだね。

しおり: うん、怖いけど、そこには**“物語の力”で正義をつくる**という一面があるの。
そして帝国が広がる中で、言語や通貨、教育、宗教まで共通化されていった。
それが“世界の一体化”にもつながっていったんだよ。

僕: つまり、フィクションが大きくなりすぎて、現実を塗り替えてしまったってことか…。

しおり: そういうこと。
でも、そのおかげで人類は“共通の枠組み”の中で協力できるようにもなった。
良くも悪くも、“物語の力”は社会の土台になってるんだよ。


9. 幸福になったのか?

僕: ここまでの話を聞いてると、人類はすごく進化してきたって感じるけど…
じゃあ、それで僕たちって“幸せ”になれたのかな?

しおり: うん、それが一番大事な問いかもしれないね。
ユヴァル・ノア・ハラリさんもそこに鋭く切り込んでるの。
「進歩は、必ずしも幸福をもたらすわけではない」って。

僕: え…?じゃあ、文明が進んだのに、あんまり意味なかったってこと?

しおり: そうは言ってないよ。
でもね、農業革命で食べ物が増えても、支配や病気や飢えはなくならなかった。
科学革命で技術が進んでも、孤独や不安はむしろ増えたかもしれない。

僕: …たしかに。
SNSもあるし、便利だけど、心が落ち着かない日も多いかも。

しおり: そう、「豊かさ=幸せ」ではないっていうのがサピエンス全史の鋭い問いかけなんだ。
そしてさらに、「じゃあ何が幸せなのか?」という話に踏み込んでいくよ。

僕: でも、答えってあるのかな?

しおり: 明確な答えはないかもしれない。
でも、「幸せとは何かを考える」ことそのものが、人間らしさの証なんだよ。

僕: なるほど…。じゃあ、いろんな価値観を見つめなおすチャンスでもあるんだね。

しおり: うん。幸福って、未来や社会の形じゃなくて、自分の中に問い続けることなのかもしれないね。


10. 動物たちの視点から見るサピエンス

僕: サピエンスの歴史って、人間中心に語られてきたけど…
動物たちにとっては、これって良いことだったのかな?

しおり: それはね、ハラリさんもとても厳しく指摘しているところなの。
人類の発展は、他の生き物にとっては“悪夢”だったかもしれないって。

僕: え…そんなに?

しおり: うん。たとえば狩猟採集時代でも、人間は大型哺乳類を次々と絶滅に追い込んだと言われているし、
農業が始まってからは、家畜たちの“自由”が奪われ、過酷な環境で生かされるようになった。

僕: そうか…牛や豚って、自然に生きてるわけじゃないんだもんね。

しおり: そう。
サピエンスが「より良く生きる」ために築いてきた文明の陰で、動物たちは“苦しむ数”が激増していった。
特に現代の工業型畜産では、それが極端になっているの。

僕: それって、人間にとってもどこかで“代償”になる気がする…。

しおり: うん。
ハラリさんは、**「動物の苦しみを減らすことも、未来の幸福の一部」**だって語っているよ。
私たちの“信じる物語”を変えれば、もっと優しい社会に近づけるかもしれない。

僕: なるほど…。サピエンスの物語は、他の命ともつながってるんだな。

しおり: そう、「自分たちだけが幸せになればいい」っていう時代は、もう終わりにしたいね。


11. 未来はAIと遺伝子がつくる?

僕: 過去をふり返ると、人間って“信じる物語”で社会をつくってきたんだね。
じゃあ未来って、どうなるんだろう…?

しおり: ハラリさんは、**「ホモ・サピエンスの次に来るのは“神のような存在”かもしれない」**って言ってるよ。

僕: 神のような存在!?
それってSFの話じゃなくて?

しおり: ううん、現実の話。
AIや遺伝子操作の技術が進めば、人間は「病気にかからない身体」や「感情を操作できる脳」を作ることも可能になる。
つまり、“進化”が自然任せじゃなくなるってこと。

僕: …え、それって人間じゃなくなるってこと?

しおり: そう。
これからは「人間とは何か」という定義自体が、問い直される時代になるの。
しかもAIが感情を理解したり、自動的に意思決定をしたりすれば、人間の役割も変わってくる。

僕: 僕たちの“物語”が、テクノロジーによって書き換えられるってことか…。

しおり: うん。これまで「神の領域」とされていたことに、サピエンスは手を伸ばしはじめている。
その中で、倫理・価値観・自由意志といったテーマが問われるようになるよ。

僕: 進化の果てが“人間超え”だなんて、なんだか怖くもあるな…。

しおり: 大丈夫。
未来が不安になるのは、「どうなるか分からない」から。でもね、“何を信じるか”は、これからも私たちが決めていいんだよ。

僕: うん…だったら僕は、誰かと笑って話せる未来を信じたいな。

しおり: それも立派な“物語”だよ🌱


12. 虚構と共に生きるということ

僕: 虚構って聞くと、なんだか騙されてるみたいな響きがあるけど…
ここまで話を聞いて、ちょっと見方が変わったよ。

しおり: それはよかった。
信じることで人がつながり、未来を描けるなら、それは“ただの嘘”じゃない。
物語は、社会の血のように、私たちの中を流れてるの。

僕: これから先、AIやバイオテクノロジーが進んでも、
やっぱり大事なのは“どんな物語を信じていくか”ってことなんだろうね。

しおり: そう。
そしてそれは、今の私たちにも選ぶことができる。
時代や技術がどう変わっても、“信じる力”は、これからも人類の道しるべになるはずだから。


📝まとめ|虚構がつくった人類の歴史とこれから

問題・疑問原因・背景気づき・ヒント
なぜ人類だけがここまで発展した?虚構(神話・宗教・法律・貨幣など)を共有できたから「みんなで信じる物語」が協力を生む最大の武器
農業革命は本当に良かったのか?食料は増えたが生活は単調に、格差と労働の苦しみも増大便利=幸福ではないという視点
科学革命のインパクトは?無知を認め、未来の技術進歩に希望を託すようになった「分からない」を出発点にした知の進化
資本主義はなぜ広まったのか?「将来の利益」を信じることで信用が回り、経済が動く信じる力が経済を拡張させた
帝国や国家はなぜ成り立った?共通の物語(神の意志・文明の優位)によって正当性を獲得した巨大なフィクションが統治と文明発展を支えた
発展の先に幸福はあったのか?物質的豊かさと心理的幸福は一致しない幸福の答えは、個人が考え続けるプロセスにある
動物や自然にとってのサピエンスの存在は?他種への支配と苦痛を拡大他者と共にある視点を取り戻すことの大切さ
未来に向けて何を信じるべきか?AIや遺伝子技術が人間性を揺るがす優しさと希望のある「物語」を自ら選び、紡いでいく時代へ

最後に|虚構がつなぐ、あなたと世界の物語

僕: しおり、今日はありがとう。
なんだか、ただの歴史の話じゃなくて、自分の「今」とつながってる気がしたよ。

しおり: それなら嬉しいな。
歴史は「過去」じゃなくて、「これからを生きるヒント」でもあるんだよ。
特に『サピエンス全史』は、“人間とは何か?” “どんな未来を信じたいか?”を問いかけてくれる一冊だったね。

僕: 僕も、自分が信じてる物語ってなんだろうって、ちょっと考えたくなった。
「みんなが信じてるから大丈夫」っていうより、「自分が信じたいこと」から始めてみようかな。

しおり: うん。“世界は物語でできている”ってことに気づけたなら、きっともう半歩前に進んでるよ。
これからも、やさしい物語を紡いでいこうね。

僕: うん、ありがとう。また来るよ。


📘 書籍紹介リンク

『サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福』
著者:ユヴァル・ノア・ハラリ
出版社:河出書房新社
ジャンル:歴史・人類学・哲学

コメント

タイトルとURLをコピーしました