『“いつか”の幸せより、“今”を幸せに|人生を変える時間の使い方』

習慣・生活

はじめに|“今”を犠牲にする人生っておかしくない?

僕:ねえ、しおり。
「将来のために我慢しろ」とか、「若いうちは苦労しろ」ってよく言われるけどさ…ほんとにそれって正しいのかな?

しおり:うん、その気持ち、すごくよくわかるよ。
確かに目標に向かって努力するのは大事だけど、“今を犠牲にして未来の幸せを待つ”っていうのは、ちょっと危うい考え方かもしれないね。

僕:最近、知り合いが「老後の楽しみのために、今は働いて我慢するしかない」って言ってて…でもそれって、体が元気なうちに楽しめないってことじゃん? なんか、もったいない気がして…。

しおり:まさにそれ!
今回紹介する本はね、著作家で経営コンサルタントの山口周さんの著書、
📘**『人生の経営戦略』(文藝春秋)**という一冊なの。

僕:“人生”の経営戦略…?
なんだかビジネスっぽいけど、僕みたいな普通の人にも関係ある話?

しおり:あるよ!めちゃくちゃある。
この本が教えてくれるのは、「どうすれば“いつか幸せになれる”じゃなく、“いつも幸せ”でいられる人生を築けるか」ってこと。
人生を「時間という資源を、幸せという成果に変えるゲーム」としてとらえて、ちゃんと戦略的に考えていこうっていう内容なんだ。

僕:戦略的に生きる…?
うーん、僕、そんな大層なこと考えたことなかったな…。

しおり:大丈夫、むずかしく聞こえるかもしれないけど、すごくシンプルな話だよ😊
今日はこの本から、「人生をより幸せにする時間の使い方」を、私たちのペースで一緒に読み解いていこう!


幸せをつくる3つの資本とは?

僕:そもそも“幸せ”ってなんなんだろうね…。
美味しいものを食べたり、のんびり過ごしたり…それって本当に幸せなのかな?

しおり:うんうん、そう思うよね。でも山口周さんの本ではね、「いつも幸せな状態=ウェルビーイング」を人生の目標としてるの。
そのウェルビーイングを支えるのが、3つの資本なんだって。

僕:資本…って、あの「お金」の話? 株とか貯金とか?

しおり:もちろんそれも大事なんだけど、それだけじゃないの。
山口さんが挙げているのはこの3つ──

自己効力感(自分は誰かの役に立っているという感覚)

社会的つながり(良い人間関係を持っている感覚)

経済的安定(いざという時でも暮らしに困らない安心感)

僕:へぇ、なるほど…。
たしかにどれも「なんとなく元気が出る理由」な気がする。

しおり:そうなの。たとえば、どれだけお金があっても孤独だとつらいし、
人間関係があっても「自分って何の役に立ってるんだろう…」って感じてたら、やっぱり満たされないよね。

僕:わかる…。
ゲームばっかりしてた時期、楽しいはずなのに、なんだか虚しい気持ちになったことあるな。
誰の役にも立ってないし、誰とも関わってないし、何も生み出してなかった…。

しおり:うんうん、それって「資本」が欠けてた状態かもしれないね。
この3つの資本は、人生の土台になる“心の豊かさ”みたいなもの。
それがそろってると、「今日もなんだかいい日だな」って思える日が自然と増えてくるんだよ。

僕:なるほど…つまり、「幸せ」は偶然じゃなくて、ちゃんと戦略的に作るものなんだね。


人生は“時間”を使って資本を育てるゲーム

僕:3つの資本が大事ってわかったけど…
じゃあ、それをどうやって手に入れたらいいんだろう?

しおり:答えはね、“時間”を使うことなんだって。
山口さんは「人生は、時間という資源を使って“資本”を育てていくゲーム」だって表現してるよ。

僕:ゲーム…?
なんか急にファンタジーっぽくなったな(笑)

しおり:ふふ。でも実際その通りだよ😊
例えば、仕事に時間を使えばスキルが身について「自己効力感」が育つし、
友達や家族と過ごせば「社会的つながり」が強くなるよね。
そして資産形成に時間を使えば「経済的安定性」が生まれてくる。

僕:あっ、ほんとだ。
時間って、ただの“流れるもの”じゃなくて、“育てるもの”なんだ。

しおり:そうそう。そしてここで重要なのが、「筋のいい時間の使い方」をすること。
同じ時間をかけても、リターンが全然違うことってあるでしょ?

僕:あるある…。
なんとなく流されて働いてたときは、何年経ってもスキルも自信もつかなかったもんな…。

しおり:うん、たとえばブラック企業で休みもなく働いてたら、時間だけ吸われて何も資本は育たない。
それよりも、スキルが身について人とつながれる環境で働いた方が、時間の価値はグッと高まるよね。

僕:なるほど…。
“どこに時間を投資するか”って、ほんとに大事な判断なんだな。

しおり:その通り!
人生は“時間を何に交換するか”を考える、いわば自分自身の経営戦略なんだよ📊


最初に育てるべきは“人的資本”

:しおり、さっきの「3つの資本」って、どれから手に入れるのがいいの?

しおり:山口さんは、まず最初に「人的資本」を優先して育てるべきだって言ってるよ。
つまり、スキル・経験・知識を積んで、自分の能力を高めるってこと。

僕:でも、いきなりスキルって言われても…
僕、特に得意なこともないし、なんだか漠然としてて不安だよ。

しおり:うん、その不安は自然なことだと思う。
でもね、人的資本って、いきなり専門職になるとかじゃなくて、自分の好きや興味を深めることからでもスタートできるの。

僕:好きなこと…例えば、弓道とか?
でも、それって仕事に繋がるとは限らないし…。

しおり:そこがポイントなんだよ✨
最初は直接お金にならなくても、自分の好きなことや没頭できるものって、時間をかけて伸ばしていくことで、やがて人に求められる価値になったりするんだよ。

僕:たしかに…。
SNSで弓道の動画を上げたとき、意外と反応もらえて嬉しかったな。

しおり:それそれ!
「仕事」としてじゃなくても、「誰かの役に立つもの」になる可能性があるよね。
それが“自己効力感”にもつながってくるし、継続できると信頼や人脈もできて、「社会的つながり」も育つの。

僕:スキルを育てることが、結果的に他の資本も育ててくれるんだ…!

しおり:うん。だから、**最初は「楽しめて、長く続けられること」**をベースに、人的資本を育てていくのが一番効率がいいんだよ😊


好きなこと×スキル=レアな存在になる方法

僕:でも正直…「好きなことだけで食べていける人」って、ほんの一握りの才能ある人だけでしょ?
僕みたいな凡人には、やっぱり夢の話なのかな…。

しおり:ううん、それはちょっと違うよ😊
山口さんはね、「天才じゃなくても、自分をレアな存在に見せる方法がある」って言ってるの。

僕:えっ、どうやって…?
そんな裏技、あったら知りたいよ!

しおり:そのカギはね、**“組み合わせ”**にあるの。
一つひとつのスキルは平凡でも、いくつかの要素を掛け合わせることで、自分だけの強みに変えられるんだ。

僕:たとえば…?

しおり:たとえば、「弓道が得意」なだけなら、それだけで食べていくのは難しいかもしれない。
でもそれに「動画編集スキル」や「発信力」を組み合わせたら?
“弓道×動画×伝え方”っていう、ちょっと面白い存在になるでしょ?

僕:あっ…なんか急に現実味出てきた…!
確かに、ただの弓道家より、「分かりやすく発信できる弓道家」って、ちょっと目を引くかも。

しおり:そう、それがブルーオーシャン戦略ってやつ。
人と競争せずに、自分だけの“市場”をつくる考え方なんだよ。

僕:なるほど…。
「ひとつの道で勝てないなら、いくつか掛け算すればいい」ってことか。

しおり:その通り!
好きなこと、昔からやってたこと、自然に続けられること…そういう“自分だけの素材”をうまく組み合わせていけば、レアな存在に“見せかける”ことは十分可能だよ✨


人生には“春夏秋冬”のステージがある

僕:ここまで話を聞いてると、「時間をどう使うか」って、ほんと大事なんだなって思うよ。
でもさ、自分の年齢とか状況によって、もう遅いんじゃ…って思うこともあるんだよね。

しおり:うん、その感覚もよくわかるよ。
でもね、山口さんは「人生には春夏秋冬がある」って教えてくれてるの。
つまり、年齢やステージに合わせて“やるべきこと”は変わるってことなんだ。

僕:えっ、人生にも四季があるの?

しおり:あるのあるの😊
ざっくり分けると、こんな感じだよ👇

  • 🌱春(〜30歳):試す時期。いろんなことに挑戦して、自分の適性を探す。
  • ☀️夏(30〜50歳):集中する時期。これだ!と思った分野に力を注いで、実力と人脈を育てる。
  • 🍁秋(50〜70歳):広げる時期。これまでの経験を生かして、プロジェクトや人との関わりを広げる。
  • ❄️冬(70歳〜):与える時期。次の世代に知識や経験を分け与える。

僕:なるほど…今自分がどの季節にいるのか意識するだけで、「今やるべきこと」が見えてくる気がする!

しおり:そうなの。
特に“春”と“夏”は、将来の土台をつくるすごく大事な時期だから、ここでどんな経験を積むかで人生が大きく変わってくるんだよ。

僕:でも正直、僕もう春が終わりかけてるのに、まだ「これだ!」ってものに出会えてないんだよなあ…。

しおり:ううん、大丈夫😊
季節の進み方は人それぞれ。
30代でも40代でも、“自分の春”をやり直すことはできるし、「これだ!」と思えることに出会える人は、むしろ遅咲きなことも多いんだよ。

僕:そっか…じゃあ僕も、まだ“春”のつもりで試していいんだね。

しおり:もちろん!
土の中でじっくり育つ芽もあるからね🌱
焦らず、今の時間をちゃんと使っていけばいいよ。


まとめ表|幸せを築く人生戦略

課題原因対策
幸せになれない気がする“いつか”の幸せばかりを追っている“いつも幸せ”を目指すウェルビーイング思考
自信がない/評価されない自己効力感が育っていない小さなスキル・経験を積み上げて人的資本を育てる
孤独・不安がつきまとう人間関係や経済の不安がある社会的つながりと経済的安定性を時間で育てる
自分の価値が見えない強みが埋もれている複数の要素を組み合わせて“自分だけの価値”をつくる(レア化戦略)
年齢的にもう遅いのでは?春夏秋冬のステージを意識していない自分の季節に合った行動・挑戦を選びなおせばOK

最後に|“時間をどう使うか”は、自分への最大の問い

しおり:ねぇ、覚えておいてほしいの。
“いつか幸せになる”ために今を我慢し続けるより、
“今この瞬間”に幸せを感じられるように、時間を使うことが何より大切なんだよ。

僕:うん…。
なんとなく過ごしてた毎日が、ちょっとずつ“自分の資本”になってるって思えるだけで、
ちょっとだけ希望が持てた気がする。

しおり:人生は長いようで、思っているよりもあっという間。
だからこそ、自分にとって意味のある“時間の使い方”を、ちゃんと選んでいこうね😊

僕:うん、ありがとう。
なんか今日は、自分の未来とちゃんと向き合えた気がする。
また、相談しにくるよ。

しおり:いつでもおいで。
図書館は、いつだって“考えるための静かな場所”でありたいから📚✨


📘 書籍紹介リンク

『人生の経営戦略』
著者:山口周/文藝春秋

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