はじめに|夢は“気合”じゃなく、“事務”で近づける?
僕:
「なんか最近、夢ってどうやって叶えればいいんだろうって思うんだよね。
頑張ってるつもりでも、全然前に進んでる気がしないっていうか…」
しおり:
「うんうん、それってすごくよくあることだよ。
でもね、夢って“気合”じゃなくて、“事務”で近づけるって知ってた?」
僕:
「じ、事務!? え、オフィスワークの話じゃないよね…?」
しおり:
「ちょっと違うけど、あながち間違ってないかも。
今回紹介するのは、坂口恭平さんと道草晴子さんの共著、**『生きのびるための事務』**って本なんだ」
僕:
「タイトルからしてなんか不思議な感じだな…でも気になる!」
しおり:
「この本ではね、夢を実現するためには“まず書くこと”が大事だって教えてくれるの。
“ノートに書くこと”が、理想の未来を現実に引き寄せる鍵になるんだよ」
僕:
「書くだけで夢が叶うって…なんかスピリチュアルじゃない?笑」
しおり:
「ふふ、そう聞こえるかもしれないけど、全然ちがうよ。
これは**現実と向き合って、具体的な行動を導き出す“ノート術”**なの」
僕:
「なるほど、夢がふわふわしてるのって、ちゃんと現実を見てなかったからかも…」
しおり:
「そうそう。だから今回は、
**“夢を実現するために、今日からできること”**をテーマに、
一緒にこの本を読み解いていこうね📘」
僕:
「うん、よろしくしおり先生。じゃあまず、“書く”ってどういうことか、教えてもらおうかな!」
1. がんばる前に、まず“書いてみる”
僕:
「夢を叶えるために、まず“書くこと”って言ってたよね?
でも、正直言うと…それって本当に意味あるの?」
しおり:
「わかるよ。私も最初は『書くだけで何かが変わるの?』って思ってたの。
でもね、坂口恭平さんはこう言ってるの——
**“書けば夢は現実に近づく”**って」
僕:
「うーん、なんかちょっと怪しく聞こえちゃうな。
夢ノートみたいなやつ? “叶いますように”って書く感じの…」
しおり:
「ふふ、ちがうちがう。**これは“夢日記”じゃなくて、“設計図”**なんだよ」
僕:
「設計図?」
しおり:
「たとえば、“いつか独立したい”って思ってても、
それだけじゃ何も始まらないでしょ?
でもノートに書いてみると、どんな仕事をしたいのか、どこで働きたいのか、
誰と関わりたいのかっていうイメージが、どんどん具体的になるの」
僕:
「ああ…なるほど。頭の中だけでモヤモヤしてるより、
“言葉にして書く”ことで現実との距離がわかってくるってことか」
しおり:
「うん。しかも、書いたことって意外と忘れないし、
読み返すと**“自分が本当は何を望んでたか”**にも気づけるんだよ」
僕:
「たしかに。なんとなく思ってることって、
口に出したり文字にしたりすると、全然違って見えたりするよね」
しおり:
「でしょ? 夢をかなえるには“行動”も大事だけど、
その前に、“どこに向かうのか”をはっきりさせることがもっと大事。
それが“書くこと”の力なんだよ」
僕:
「がんばるのもいいけど、闇雲に走る前に、まずはペンを持てってことか…」
しおり:
「うん。“夢は、書けば近づく”って、そういう意味なんだ」
2. 今の「時間」と「お金」を見える化しよう
僕:
「“夢の設計図”を書くって、ちょっとワクワクするけど…
そもそも今の自分がどんな状態かも、ちゃんとわかってないかも」
しおり:
「そこ大事! 坂口さんも言ってたよ。
**“未来を描くには、まず現在地を正確に知ること”**って」
僕:
「現在地…つまり、自分が今どんな暮らしをしてて、どんなお金の使い方をしてるかってこと?」
しおり:
「そうそう!だからまずは、**“1日の時間の使い方”と“毎月のお金の使い方”**をノートに書いてみて」
僕:
「えっ…けっこう現実を見るの、怖いんだけど…笑」
しおり:
「ふふ、大丈夫。これは反省のためじゃなくて、改善のヒントを見つけるためなんだよ」
僕:
「じゃあ例えば…僕の1日って、起きて会社行って、
帰ってきてゲームして寝るっていうループで…」
しおり:
「それを“時間割”みたいにして書いてみて。
朝何時に起きて、通勤に何分、仕事に何時間、自由時間はいつ…って感じで」
僕:
「うわ、書いてみたら…“自由な時間”のはずの夜が、
YouTubeとSNSでまるまる消えてる…」
しおり:
「でしょ?でも、気づいたのはすごく大事!
“無意識に使ってた時間”が見えると、使い方を変えられるからね」
僕:
「なるほど…お金の使い方も書いたほうがいいんだよね?」
しおり:
「うん。固定費、変動費、サブスク、スマホ代、保険…
毎月何にいくら使ってるのか、ノートにざっくりでいいから書いてみて」
僕:
「…思ってたより、外食代すごいなコレ。あとサブスク、使ってないのに払ってる…」
しおり:
「こうして“今の時間とお金”を見える化することで、
どこを整えたら夢に近づけるかが見えてくるんだよ」
僕:
「現実を見るのってちょっと怖かったけど、
書いたら不思議と“変えられそう”って思えてきたかも」
しおり:
「うん、それが“事務の力”。夢は行き当たりばったりじゃなくて、
見える情報を整理して、戦略を立てることから始まるんだよ」
3. 固定費を減らせば、心が軽くなる
僕:
「時間とお金の使い方、けっこう無駄が多かったかも…
でも、どこから見直せばいいんだろう?」
しおり:
「最初に見直すなら、“固定費”がおすすめだよ」
僕:
「固定費って…毎月決まって出ていくお金のこと?」
しおり:
「そうそう。家賃・スマホ代・保険・サブスク…そういうの。
ここを減らすと、生活のプレッシャーがグッと軽くなるんだよ」
僕:
「でもなんか、“節約=我慢”ってイメージがあってさ…
夢を追うのに、そんなにギリギリで大丈夫かな?」
しおり:
「むしろ逆かも。“毎月30万かかる生活”をしてると、
それを稼ぐために働き続けなきゃいけない。
生活コストが高いほど、夢に使える時間が減っていくの」
僕:
「たしかに…月に5万円で暮らせる人は、5万円稼げば自由になれるってことだもんね」
しおり:
「そう。坂口さんも、**“理想を叶えるには、まず身軽になること”**って言ってた。
登山も同じで、重たい荷物じゃ高い山に登れないでしょ?」
僕:
「なるほど…たとえば僕の場合、家賃を下げたり、車を手放したり、
サブスク整理するだけでも、だいぶ変わりそう」
しおり:
「うん。削れるところは無理せず削って、そのぶん自由に使える時間を増やす。
それって、夢のための“投資”だよね」
僕:
「なんか…節約っていうより、“自分の未来を守る作戦”みたいだね」
しおり:
「その通り!がんばりすぎず、ひとつずつ見直していこうね」
4. 10年後の“理想の1日”を描いてみる
僕:
「固定費を見直して、少し心に余裕ができた気がする。
でも…その先って、何から考えればいいんだろう?」
しおり:
「次はね、“10年後の理想の暮らし”をノートに描いてみるのがいいよ」
僕:
「えっ、10年後!? そんな先のこと、あんまり考えたことないかも…」
しおり:
「うん、最初はぼんやりしてて大丈夫。でもね、
坂口さんはこう言ってるの。
**“理想の未来を書けば、今やるべきことが見えてくる”**って」
僕:
「じゃあ、未来の理想の生活を妄想して書けばいいのか…
仕事は…午前中だけにして、午後はのんびり本読んだり、運動したりして…」
しおり:
「いいねぇ!できるだけ**“1日の時間割”をイメージして書いてみて**」
僕:
「よし…朝は7時に起きて、コーヒー飲んで、
午前中にやりたい仕事を4時間だけ。午後は散歩したり、
好きなことして過ごす。で、夜は早めに寝る!」
しおり:
「すごくいい!それに合わせて、“理想の月収”や“働き方”も一緒に書いてみるともっと現実的になるよ」
僕:
「理想の月収か…20万でも幸せに暮らせたら最高かも。
逆に50万欲しいなら、それに見合った働き方を考えないとだよね」
しおり:
「そうなの。時間とお金、両方を“理想の1日”に合わせて設計するって、すごく大切」
僕:
「…なんか、不思議とワクワクしてきた。
“現実逃避”じゃなくて、“未来の土台づくり”って感じがする」
しおり:
「その感覚、大事にしてね。
今の延長じゃなく、“こうなりたい”から未来を描く。
それが、10年後の自分へのラブレターになるんだよ」
5. 自分の“才能”は、ついやってしまうことにある
僕:
「理想の1日を書いてみたら、なんかちょっとずつ未来が見えてきた気がするよ」
しおり:
「うんうん!じゃあ次は、その理想を支える“自分の才能”を見つけていこうか」
僕:
「才能かぁ…。それが分かれば苦労しないんだけどな…笑」
しおり:
「ふふ。坂口さんはね、**“才能は、努力しなくてもついやってしまうこと”**って言ってるの」
僕:
「えっ、好きなことって意味?」
しおり:
「“好き”に似てるけどちょっと違うかも。
“頼まれてないのにやっちゃうこと”とか、“気づいたら時間を忘れてやってること”、そんな感覚」
僕:
「うーん…それなら、僕はなんだろう…気づいたらブログ書いたり、本の感想まとめてたりするかも」
しおり:
「それ、立派な才能だよ!
“誰にも強制されてないのに、続けてること”ってすごいパワーがあるの」
僕:
「そっか…。でも、それがお金になるのかなあ…」
しおり:
「今はね、“偏った才能”でも発信すれば届く時代だよ。
SNSやブログ、動画、音声…どこかにその“偏り”を求めてる人がいるかもしれない」
僕:
「たしかに…“普通じゃない自分”って、ただの短所じゃなかったんだなぁ」
しおり:
「うん、“普通じゃない”って、立派な価値なんだよ。
坂口さんだって、誰にも求められてなかった時代から、
毎日コツコツ原稿用紙10枚書いてたんだって」
僕:
「うわ、それはすごい…。才能って、キラキラしたものじゃなくて、地味でも続くことなんだね」
しおり:
「そう。続けられること=才能だと思って、自分だけの道を見つけていこうね」
6. うまくいかないときは、“やり方”を変えればいい
僕:
「才能って“続けられること”っていうの、すごく勇気出たよ。
でもさ…続けても結果が出ないと、やっぱり落ち込むよね…」
しおり:
「うん、その気持ちすごく分かるよ。
でもね、そんなときこそ覚えておいてほしいのが、
**“自分じゃなくて、やり方を変える”**って考え方」
僕:
「自分を変えるんじゃなくて、やり方を変える…?」
しおり:
「うん。坂口さんはね、うまくいかないときに**“自己否定”しちゃう人が多すぎる**って言ってるの。
でも大事なのは、“自分がダメなんじゃなくて、方法が合ってなかっただけ”って思うことなんだって」
僕:
「たしかに…。僕もSNSで発信してみたけど、全然反応なくて…。
“向いてないのかも”って思っちゃってた」
しおり:
「そういうときは、投稿する時間帯を変えてみるとか、
内容の切り口を変えるとか、
別のメディアを試してみるとか、いろんな工夫ができるよね」
僕:
「なるほど…。結果が出ない=才能がない、って決めつけてたなぁ」
しおり:
「そうやって“才能がない”って思い込んでやめちゃうのは、
すごくもったいないこと。
失敗は、自分の“取り扱い説明書”を探すヒントにもなるんだよ」
僕:
「たしかに…試行錯誤って、前に進んでる証拠なのかも」
しおり:
「うん。“うまくいかなかった”ってことがわかっただけで、
次のチャレンジはもっと良くなる可能性がある。だから大丈夫だよ」
僕:
「ありがとう、しおり。なんか、自分を責めなくていいって思えた」
しおり:
「うまくいかないときは、やり方を見直して、また一歩。それが夢に近づく力になるんだよ」
7. 完璧じゃなくていい。今の一歩が未来をつくる
僕:
「ここまでいろいろ考えて、書いて、見直して…
なんか少しずつ、道が見えてきた気がするよ」
しおり:
「うん、最初よりずっと前に進んでるよ。
でもね、最後にもうひとつだけ伝えたいことがあるの」
僕:
「なになに?」
しおり:
「それはね、“完璧じゃなくていい”ってこと。
未来は、今の“小さな一歩”の積み重ねでできてるんだよ」
僕:
「うっ…耳が痛い…。
理想の生活とか、夢とか考えたら、つい“ちゃんとやらなきゃ”って思っちゃって…」
しおり:
「ふふ、わかる。でもね、坂口さんの考え方って、もっと優しいんだ。
**“夢は、気合や根性じゃなく、毎日の“事務作業”で少しずつ近づけていくもの”**なんだよ」
僕:
「なんか…肩の力が抜けるなぁ。
“ノート1ページから始めればいい”って思える」
しおり:
「そう。今日描いた未来が明日には変わるかもしれないし、
やり方も、気持ちも、これから何度も変わっていく。
だからこそ、“書きながら進む”ことが大事なんだよ」
僕:
「変わってもいいし、迷ってもいいし、途中で止まってもいい…
でも、書いてればまた歩き出せるんだね」
しおり:
「うん。**夢を叶えるのは、“特別な人”じゃなく、“動きながら考えた人”**なんだと思うな」
僕:
「じゃあ僕も、また明日、ノートを開くことから始めてみるよ。
小さくても、一歩ずつね」
しおり:
「うん。その一歩が、ちゃんと未来につながってるよ。
よし、ここまで来たら──次は、一緒にまとめてみようか」
✅ まとめ|夢を“書いて近づける”ためのステップ
🌀 悩み | 🎯 原因 | ✍️ 行動・ヒント |
---|---|---|
夢がぼんやりしていて動けない | 頭の中だけで考えている | ノートに“理想の1日”を書き出す |
今の生活が理想に遠い | 時間とお金の使い方が見えていない | 現在地を“見える化”する(時間割・支出) |
精神的に余裕がない | 固定費の負担が重い | 家賃・通信費・サブスクなどを見直す |
才能がわからない | “特別なもの”だと思い込んでいる | 続けてしまうこと=才能と捉えてみる |
うまくいかない | 自分を責めてしまう | やり方を変えて、試し続ける |
💬 最後に|しおりから読者へのひとこと
しおり:
「夢を叶えるって、特別な誰かの話みたいに感じるかもしれない。
でもね、未来を変える力は、静かにノートを開く“あなた”にもちゃんとあるんだよ。
がんばる前に、一度立ち止まって、書いてみる。
それはあなたが“自分の人生のハンドルを取り戻す”第一歩になるから」
僕:
「なんだか、夢を追うのって怖いことじゃなくなってきた気がするよ。
ノートとペンがあれば、今の自分でも、始められるんだね」
しおり:
「うん。さあ、“君の物語”を書きにいこうか。
図書館は、いつでもここにあるからね📘」
📘紹介した本はこちら
『生きのびるための事務』
坂口恭平・道草晴子 著|晶文社
ノートに書くことで、夢と現実の“橋”をかける。
日々の事務作業が、人生を軽やかにしてくれる——。
自分らしい未来を“具体的に描く”力をくれる一冊です。
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